娘(人間)の行動が不可解すぎる!4
翌日、昼になり、寂しくなった
一つには
二つには子供達、眷属だ。
また、単独ではないが、
最後に、同格に当たる神獣とその眷属となる。
つまり、柱と数えられる者達である。
その多くは、
むろん、
現状、ほぼ”あり得ない”事であった。
なので、侵入されたので有れば、おおむね、上げた中に当てはまるものが有るはずだった。
現状、一と二が”あり得ない”となれば、最後の一つとなるのだが……。
そして、『彼女は……まさか、” ”!?』と目を大きく見開いた。
『何故、彼女がここにいる!?』
” ”とは”世界の鍵穴への
場合によっては、”光の指す方”という意味に”変異”する。
二千年ほど前に、
黄金色の羽を持つ彼女は、最強格の神獣たる
だが、その性質は別称が示すように神獣というより神に近い存在である。
本来で有れば、そこらをフラフラ飛び回っていて良い者ではないのだが……。
それがよりによって、愛娘の近くに現れたのだから、焦るなと言う方が無理があった。
そんな、黄金色の羽の彼女が、遠見の魔法陣ごしに
『どこかで感じたことのある気配だと近寄ってみたら……。
そうか、お前様の眷属じゃったか』
ずいぶん久し振りの――聞き慣れた声質の低い女性の声に、
『わたしの娘よ!
いえ、そんなことは良いとして、あなたが何故、そこにいる?
連れてる眷属の数も、ずいぶん少ないようだけど……』
黄金色の羽の彼女は悲しげに表情を歪ませた。
『妾の黄金の大樹は、あやつによって枯らされてしもうたのじゃ』
『”あやつ”……。
まさか!?
それほどまでに?』
黄金色の羽の彼女はコクリと頷いた。
『……我らも今や弱肉強食の法の中で生きてはいる。
じゃが、それを曲げて頼む。
少しだけで良い。
お前様の娘の結界内で我らを休ませてはもらえぬじゃろうか?』
本来で有れば、黄金色の羽の彼女らを自分の元に招き寄せる方が良い。
ただ、現在は高位の神獣同士は極力距離を取りながら生活するようにと決められていた。
ならば、娘用の結界に保護するのは理にかなっていた。
事は黄金色の羽の彼女という一柱が揺らぐ問題ではない。
高位の神獣としてはそれを認めざる得なかった。
だが、
むろん、”柱”となったからには、いずれは向き合うこととなるだろうし、それについて説いてきてもいた。
しかし、それはもう少し年を重ねてからでも遅くない――そう、思っていたのだ。
(いえ、これも巡り合わせということかしらね)
渋く思いつつも、
『
なので、そのあたりの判断も、
そうは言っても、
やっかいごとに巻き込まれそうだと分かっていても、恐らくは苦境にある者を守る事を選ぶだろうと確信していた。
なので、
その上で、
『事の重大さに焦り、わたしの元に伝えに行こうとするかもしれないわね。
う~ん、それは正しい判断だけど、試験としては……。
まあ、その場合は、仕方がない。
会いに出向きましょう』
ついでに国民がいない国作りなどという変なことは止めて、さっさと町を縄張りに加えるよう言って聞かせないと……。
そんなことを考えていた
まず一つに、何故か
どうやら、
『おかしいわね……。
わたし達親子間には問題が無いのに、何故彼女達とは出来ないのかしら?』
ただ、その辺りは単に、黄金色の羽の彼女らの声が聞き慣れていないからという風にも考えられた。
そうであれば、そのうち聞き取れるようになるだろうと楽観も出来る。
だが、もう一つの方に、
『え?
あの子、彼女らが何者か分かっていないの?』
本来で有れば、警戒しないといけない同格以上の相手に対して、不思議そうにしながらも普段通りにしている。
取り巻きに対してはともかく、黄金色の羽の彼女に対してすら、平然としている様子から、
『見た目はまあ、小さいけど……。
雰囲気とかで、その強さとか、ほら、何というか、分からないものかしら?
え?
妖精?
眷属はともかく、
あれ?
わたし、
ひょっとして、
などと、
なので、黄金色の羽の彼女について説明しただろう過去に意識が行き、現在を疎かにした。
故に、驚愕することとなる。
娘の――愛娘の家の裏に”世界の鍵穴”たる大木がむくむくと育って行ったのである。
『うぉぉぉい!?
ちょ!
何やってるのぉぉぉ!?』
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