娘(人間)の行動が不可解すぎる!3
ここ最近は、子供達に囲まれた生活をしていた
もちろん、子供達の様子を見守ることも忘れてはいない。
朝になり、目を覚ました
『あらあら、大きい息子、自信満々に挑んだ黒竜にずいぶんと苦戦しているわね。
ふふふ、ボロボロになってまあ、不満そうな顔になっちゃって。
あなたは力ずくで戦うばかりではなく、もう少し、頭を使った戦い方を覚えた方が良いわよ』
『まあ、大きい娘ったら。
いくら死霊の姿が気持ち悪いとはいえ、火炎魔法を使い過ぎよ。
ほら、縄張りにするはずの森が大炎上してるじゃない。
あぁ~、いくら焦っているからとはいえ、風魔法で火を散らそうなんて……。
火の勢いが増すばかりでしょうに……』
『まあ、小さい息子ったら!
前回の
あらあら、捕まれ、ずいぶんと空高くまで運ばれてしまったけど、どうするの?
ふふふ、落ちないよう動くことを控えているのか、それとも恐怖で硬直してしまったのか?
何にしても、
などと、”少々”手こずっている子供達を眺める
『一柱だけになり、勝手の違いに戸惑っているでしょうね』
いざとなったら、助けてもらえる。
いざとなったら、助言や指摘がもらえる。
そんな”当たり前”になりきっている子供達だ。
このような失敗や苦戦は、至極当然の帰結と言って良かった。
そして、その事を体感させることこそが、今回、
『まあ、あの子達なら、大丈夫でしょう。
……問題は、
『そういえば、あの子を拾った時、そばにいた人間も似たような事をやっていたわね』
『……ひょっとして、わたしが知らないだけで、人間とはそういう奇妙なことをしてしまう習性でもあるのかしら』
などと思いつつ、
それを見ながら、
しかも、それだけではなく、
そして、それらはデタラメというわけでない。
理にかなっている上に、出来上がった料理は総じて美味しかった。
エルフの友人は、その事をいつも不思議がったがしかし、
つまり、『うちの
何故か、そのように断言すると、エルフの友人から生温かい目で見られたが、そういうことなのだと、
それはさておき、娘の料理は眺めているだけで、よだれが溢れてしまうほど素晴らしいものだった。
『調味料が少なくても、わたしの娘は本当に美味しそうな物を作るわね。
……料理を毎日、送ってくれるとかは……流石に無理かしら。
う~ん、毎日送ってくれれば、町の支配が遅れても許してあげるとか言っておけば……。
いや、流石に試験にならないか』
などと苦悩している間に、
そして、近くの森を、おそらく食料を探すために歩き始める。
そんな様子に、
『あの子、本気であの場所に国を作ろうとしているのかしら?』
町を支配するのが怖いというのは、正直”あれ”だけど、まあ、臆病の範疇として理解できないでもない。
そのために、安全な結界内に籠もるというのも、まあ、そうだ。
だけど、あの場所で国を作るという発想には、何千年も生きる
国とは、領土と民が揃って初めて作ることが出来る。
ただ、領土――それは結界内の小さな土地と見立てるにしても、民はどうするのか?
『国を作るんだったら、なおさら町を支配した方が早いと思うんだけど……。
まさかあの子、自分を国王兼国民とか言い張るつもりじゃないでしょうね?』
『それとも、あの蟻を国民にするつもりかしら?』
いつの間にやってきたのか、大蟻が結界のそばにいて、
『でも、あの蟻は基本的に地下で生活をする生き物だから、国民にするのは無理だと思うけど』
大蟻は地下に巨大な巣を作ることで有名で、それは、現在
どころか、海を挟んだ大陸まで地下で繋がっているかもしれないとエルフの友人は話していた。
不味い上に、臆病なため
それに、
『蟻を上手く使って、種を手に入れる。
これ自体は、賢い手ではあるんだけど……』
前記にもあるが、大蟻の巣は地中深くで恐ろしいほど大きく広がっている。
なので、その地域に無い物を手に入れて来て貰うにはうってつけである。
とはいえだ……。
『国を作るというのは……。
まあ、この際、良いとしても。
なんか、変な方向に突き進んでいるようにしか見えないのよねぇ』
単に町を占領する事から視線を逸らすために誤魔化しているだけか、それとも、国作りについて本気で分かっていないのか……。
『どちらも有りそうだけど……。
分かっていないという可能性が大いにあるわね』
そもそも、国作りなどという小難しいことを、
『こんな状態が続くようなら、説教と軌道修正のために会いに行かなくてはならないわね』
だが、事態は
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