『ゆうれいさん』

やましん(テンパー)

『ゆうれいさん』

 『これは、フィクションです。』



 ある、秋も深まった、わびしい夜のことであった。


 ひとりの、わりに古い、かなりの強面のゆうれいさんが、さ迷っていた。


 近頃は、どこの窓にもカーテンが掛かっていて、中からは外側が見えないし、外側からは、中が見えない。


 いたずら心を起こしたゆうれいさんは、とある、もう、ちょっと古ぼけた2階建ての住宅に目を付けた。


 なんとなく、中から外を覗いてくれそうな雰囲気があったからである。


 そこで、窓に顔をくっ付けて、じっと待っていた。


 午前2時。


 まだ、誰も覗いてくれない。


 中の電灯は、ちょっと暗くなったが、まだ、スタンドが点いているようだ。


 ちょうど良い雰囲気である。


 しかし、待てどくらせど、だれも覗いてくれない。


 午前3時。


 ゆうれいさんは、いささか、あきてきた。


 ふと、みれば、ちょっとだけ、カーテンに、隙間ができている。


 『よし、こちらから、覗いてやろう。』


 ゆうれいさんは、少し、右側に移動して、その隙間から中を覗いたのである。


 すると、そこには、黒いでかい目玉。真っ白な顔、赤い唇が、こちらを睨んでいたのだ。


 『わあ〰️〰️〰️〰️』


 ゆうれいさんは、飛んで逃げたのである。


          🛩️

   


 やましんが、半分以上は、睡眠薬でぼやっとしたまま、たまたま、今夜は隙間からずっと外を見ていた、ぱっちゃくんに声をかけた。🐼


 『お手洗い行ってくるね。』


 


 

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『ゆうれいさん』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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