#2 主人公
今日の私はずっと主人公のことで頭がいっぱいだ。儚くて優しさに溢れた読者が大好きになる女の子を創らなければ。
実はこの女の子はモデルがいる。
高校生活で一番一緒にいる時間が長い友達だ。(つまり私は友達の恋愛を妄想しまくっている)
ここではA子と呼ぶことにする。
高一、高二と同じクラスで部活も同じ私たちはお互いのことを知り尽くしてるだろう。私はA子のタイプやフェチまで把握してしまっている。
知り尽くしているからこそ設定にすごく悩んでしまう。A子とかけ離れた存在にしてしまったら、書きたいことが変わってきてしまうからだ。
名前がまったく決まらない。
教室でずっと悩んでいる。
この話には名前が大分重要なのだ。主人公以外の名前にも拘りたいのに、、
いくつもの女の子の名前をメモっては消していく。とうとうその日、最後の授業が終わるまで決められなかった。
こうなったら最終手段だ。
自分に名前をつけるならどんな名前にする?
放課後、部室へ向かう廊下でA子に尋ねた。
「えー、この名前気に入ってるしなー」
でも考えてみてよー!
「…清水さんとか綺麗じゃない?」
名字かい。とは言わずさらに聞いてみる
下の名前は?
少し悩んでいる
「美玲かなぁ」
それ採用!
「何によ笑笑」
一分半のやりとりで考え出された。
名字も貰って清水美玲にする。
私の理想にぴったりな名前な気がしてきた。
よろしくね美玲ちゃん
こうしてA子には自分をモデルにした主人公の名付け親になってもらった。
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