2話
更に1年後。Sランク探索者に相応しいステータスだと協会に認められた。昇格のために会長の元を訪れた。
「ようこそ新たな英雄。私たちは君を歓迎する。」
「なぜ英雄ですか?」
「それは英雄でなければ特異なる怪物を相手に勝負にならない。例外はいるが片手で数える程しかいない。そして今いる英雄は11人いる。そして君以外成長限界に達している。」
「10年くらいで成長限界に達するんですか?」
「協会が明らかに使用用途がないアイテムを買い取っているか知っているかな?」
僕は首を横に振った。
「それは経験値に変換する異常物質を使うための燃料だ。種族レベルやスキルレベル、職業レベルなどに使えて自由に振り分けることができる驚異の異常物質だ。デメリットとして使う度に寿命をかなり削られるが不老たる英雄にはデメリットではない。」
「なぜSランクになるまで僕に使わなかったんですか。」
「それは燃料の都合だ。AランクよりSランクから使った方が燃料が少なくなる。」
「封印迷宮はボス部屋手前まで攻略が終わっている。後は君を待っている。」
「……神の報酬はどうするんですか?」
「それは君たち攻略者に任せている。英雄たちのリーダーはダンジョンを残すことを望んでいる。だが全滅の可能性はあるから余計なことは考えないように。やり残したことがあるなら早めにすませるように。」
家族に会い、須藤さんに会った。美味しいものを食べたし、飲んだ。もう悔いはない。
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