10話

 ドラゴン。それはモンスターの中で最も強い種。もちろんドラゴンを超えるモンスターもいるが個であって種ではない。ドラゴンは肉体よりの竜と魔よりの龍がいる。Aランク探索者でレイドを組んでやっと討伐できる存在。Bランク探索者が大半のこのメンバーでは討伐することは不可能に近い。かといって逃げることは出来ない。ボス部屋から出られないのはダンジョンの理だから。


 急いでAランク探索者が指揮を取ってドラゴンのタゲをとり、Bランク探索者をメインに攻撃しているがたいして効かず、大半が死んだ。僕は奴と目が合った。僕は死ぬのかと思い、走馬灯が見えた。そして生きることを諦めた。


 だが、生への渇望が僕には残っていた。僕は生きたいと強く願った。


 だから僕はドラゴンに向かって走った。ドラゴンがふるってくる爪や踏みつけ、噛みつきを死にもの狂いに受け流したり回避を続けた。いつか来るチャンスのために。


 どれほどの時間がかかったのかわからないがドラゴンが僅かに体勢を崩した。そこを狙い足を攻撃して転倒させた。チャンスだ。途中で行使できた精霊の力によって大剣と化した棍棒にありったけのスキルを載せて無防備な首に叩き込んだ。両断したのを見て僕は意識を失った。

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