第158話 イライラする一日 後編
JR駅構内にもゴミ箱は見当たらず、結局ゴミを持ったまま改札口を通る。定期を自動改札にタッチして通ろうとすると通り抜けた後で自動改札が何かゴチャゴチャ言っている。来る時は気付かない振りをしてそのまま進んだが、何度も引っ掛かるので駅員のところに行って、
「どうなっとるんや? 毎回毎回、何でエラーになるんや?!」
いきなりけんか腰でオリンピック選手団みたいな格好をしたおっさんがやって来たので、驚いた様子で駅員が手持ちの機械で定期をチェックする。
「大丈夫です。そのまま行って下さい」
じゃあ何でエラーが出るの? どうも一ヶ月定期が残り十日を切るとエラー吐きやすくなる気がするのは気のせいだろうか?
電車に乗り、隣の乗換駅で降りる。ゴミは未だ我が手にある。コンビニ袋が裂けて中からサラダチキンの袋がはみ出そうとしている。その袋を見ているだけでイライラしてくる。どうしたんだろう、今日は朝からイライラが酷い。 そもそも最初の定期券が見付からないというところが発端なので、それは己の撒いた種である。それさえなければあの我が物顔のジジイライダーにも遭遇しなかったし、そうであれば自動改札でエラーが出てもそんなにイライラして駅員に食って掛かる事も無かったはずだ。ゴミを見てもそんなにイライラする事もないだろう。
初めて降りた駅で、乗り換える私鉄までかなり歩かされる。足が治っていないのでたったこれだけの事でもイライラする。しかもゴミはまだ持っている。
券売機のところに立って運賃を確認すると四つか五つ先の駅に行くのに二百七十円も掛かる。以前からこの私鉄が高いのは周知の事実だったが、もう一つの老舗私鉄なら広島駅から宮島口までいけるほどの運賃である。それで四、五駅分か。
ここまできたら運賃如きでイライラはしない。駅構内に入ると、二十代前半くらいの若い女の子二人が電車の乗車口に立ってスマホで並んで写真を撮っている。何がそんなに珍しいんだろう? 確かにこの私鉄は電車だけじゃなくて駅のホームにもドアが付いている。そういう意味では珍しいのかもしれない。
次の電車は十分後だと!? って事はもしかしてさっき出たばっかりか? 足が辛いのでベンチに座って休んでいると、リュックの中に予備のビニール袋がある事に気付く。これでふんわりと包めば、液だれする事無くリュックに入れられそうである。これでようやくずっと手にゴミを持ち続けるストレスから解放される。
その後、電車がやってきて、わりと空いていて座れた事により少しイライラが減り、目的の駅に降りたらホームにゴミ箱があってようやくゴミを捨てられたのでさらにイライラが減少した。
目的地までは以前行った事があるので分かるだろうと思って歩いていたが、普通の田舎の光景である。大きな建物のはずなのに全然見えてこない。このまま進むべきかもう一度確認すべきか……。不安になりながらちょっと進むとようやく会場が見えてきた。ちょっと奥まっているのでパッと見で建物が見えないのである。
ここまでが朝九時から十四時半くらいまでに起きた出来事である。エッセイと言うよりは私小説みたいになってしまったが、たまにはこんなのも良いだろう。
これから先も多少ストレスが溜まる事もあったが書くほどではないのでここまでにしておこう。
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