第35話 波乱

 皆さんご機嫌よう、ナレーションです。

最近異常気象がすごいですね。

暑い、とにっっっかく暑すぎる!

ナレーションも作者さんも何度溶けたことか数え切れません!

皆さん水分補給をいつもよりこまめに取ってくださいね!

 ということで、注意喚起が終わったところで早速OPソング行きましょう!









◇◇◇









 今回は波乱の展開となります。

何故なら……新たなカップルの横に、ひょっこりと雪乃が登場したからである。


「お、萩さん!?」


「――――!」


「え――――きゃっ!」


「さ、さくら!?」


 雪乃はいきなりさくらの手首を掴むと、そのまま攫って行ってしまった。

さすが足の早い雪乃である。

さくらは抵抗できず、あっという間に教室の出入り口から出ると右に折れて消えてしまった。


「さくら! ってもうあんなところに! くそっ! ごめん、さくらを追いかけてくる!」


「うん! 行ってらっしゃい清太!」


 清太は雪乃たちの後を追いかけることに。

もちろん清太も足が速い男のため、あっという間に教室から出て後を追いかけていった。


「うーん……今日は朝から波乱の展開だね」


「うん……。萩さん、さくらちゃんに何をする気なんだろう? まさか清太くんとさくらちゃんを引き剥がそうとか……」


「考えたくはないけど……可能性は十分あるよ。どうする? なぎさちゃんも3人んを追いかける?」


「もちろん! じゃないとダメな気がする!」


「うん! じゃあ行こう!」


 ということで、颯太と渚も清太の後を追いかけて行くことに。

すると、颯太のスマートフォンから一通のメッセージが。


『1階の1001教室』


 画面をつけて確認すると、送って来た相手は清太だった。

2人が後から追いかけてくることを、清太は見切っていたのだ。

颯太は渚に場所を伝えると、早速1階へと走って行った。

 さあ、ここから一体そんな戦いが始まるのか……。

雪乃とさくら、そして清太の壮絶な戦いが幕を開けようとしています!










◇◇◇










 雪乃はさくらの腕を引っ張ったまま1001教室へと入って行く。

さくらは何が何だか分からないまま連れてこられた。

しかし、1つだけ思い当たるのがある。


(もしかして……わたしが清太くんと付き合い始めたから?)


 雪乃は清太を始めた見た瞬間から惚れていた。

自分はその人が大好きで付き合うことができたら……なんて思っているかもしれない。

 しかし、清太とさくらは恋人としてスタートした。

それを知った雪乃は自分たちを引き剥がそうとしているのではないのだろうか?

そんな最悪のケースを考えた。


「――――」


「ゆ、雪乃さん! 急にどうしたの?」


 雪乃はメモ帳に素早く書き始める。

その様子がかなり恐ろしく見えた。


「さくら!」


「――――!? しょ、清太くん!?」


 バンっ! という大きな音を立てて扉を開けたのは、さくらの後を追いかけてきた清太だった。

息を切らしながらさくらのもとへ近寄った。


「さくら大丈夫か!?」


「う、うん! 大丈夫!」


「そ、そうか。良かった……」


 何もされてないことを聞いて安心した清太。

しかし、目の前ではガリガリとメモ帳に文字を書く雪乃の姿が。

清太は少しだけ身構えた。


「――――!」


「「――――!」」


 書き終わった雪乃は2人にバッ!とメモ帳に書いた文字を見せた。

そこに書かれていたものは……!


『おめでとう 祝福の言葉と送っておくね 2人ともお幸せに』


「「――――へ?」」


 雪乃は次のページをめくって欲しいとジェスチャーをする。

さくらが次のページをめくろうとすると……いきなりシャラシャラと何やら聞いたことがある音が。

2人は雪乃を見ると、そこにはチアリーダーが使うポンポンを両手に持っていた。


「「――――!?」」


 突然の不可思議な行動に、清太とさくらは大混乱!

そして、教室の外でこっそりと見ていた颯太と渚も大混乱!

雪乃以外、全員大混乱状態ぃぃぃ!


『ふれー ふれー しょ・う・た! ふれー ふれー さ・く・ら!』


 と、雪乃のメモ帳にそう書かれていた。

雪乃はそれに合わせるように、ポンポンを揺らしながら踊りだし……そしてポーズを決めた。

ナイスポーズ雪乃ぉ!


「えっと……俺たちのことを祝福してくれてる、ていう解釈で大丈夫?」


「――――!」


「「よ、良かったぁああ!!」」


 雪乃ははっきりと頷いた。

その反応を見た瞬間、清太とさくらは安堵のため息をついた。

あまりの緊張感から解き放たれたせいで、ズルズルと2人はその場にぺたんと座り込んだ。

 雪乃は2人の手から今にも落ちそうになっているメモ帳を手に取ると、また何かを書き始めた。

そして、2人に見せた。


『わたしは加賀くんを好きになった。でも、近づいてもさくらさんには敵わなかった。わたしよりも、さくらさんと話している時のほうが、加賀くんは楽しそうに見えたから』


「雪乃さん……。なんか、ごめんなさい! わたしと清太くんと付き合い始めたこと、怒ってるのかなって思って……」


『ううん、わたしよりも2人の方がお似合いだよ。お幸せにね! あ、でもこれからも仲良くして欲しいな!』


「ゆ、雪乃さん!」


 さくらは泣きながら雪乃を抱きしめた。

今回の件で、友達がいなくなってしまうとずっと考えていたからだ。

これからも友達でいてくれる……その言葉が、さくらはとても嬉しかった。


「これで一件落着かな」


「うん、そうだね。でも、萩さんって案外面白い人なのかもね!」


「そうだね」


 影からそっと見守っていた颯太と渚は、クスクスと笑いながらそう話した。

雪乃の初恋は残念ながらここで終わってしまった……。

しかし、彼女の顔を見れば分かる。

悔いがなく、すっきりした表情をしている。

普段無表情な彼女だが、この時は少しだけ笑顔が見せていた。


「おーい、そこで隠れている2人! もう隠れる必要ねえぞ〜」


「「――――!?」」


「えっ!? 2人もいたの!?」


「あはは……。実はそうなんだ」


「すごく心配してたからついてきちゃった。さくらちゃん! 雪乃さん、これからも仲良くしてね!」


 渚はさくらと雪乃に抱きついた。

こういう女子高校生の姿は……やっぱり良いですねえ。

青春を送ってる感じがしますね!

 ということで、まるでひとつの章が終わったみたいな感じのエンディングとなりました。

雪乃との関わりはさらに増えていきますので、雪乃推しの読者の皆様はハッピー!

どんどん雪乃を愛してやってください!

 次回……皆さん気になっているであろう、雪乃の日常を覗いてみます。

あらあら、雪乃ファンはさらに盛り上がって熱気に包まれています!

それでは、また次回!

EDソングです!

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