第33話 嬉しい報告

 皆さんご機嫌麗しゅうございますか?

わたくしナレーションは今日も元気でございます!

2人の想いを伝え、めでたくカップルとなった清太とさくらのお2人。

今回からどんなイチャイチャを見せつけてくるのか……楽しみですねええ!

あ、ちなみに今回はさくらは登場しませんし新しいカップルのイチャイチャもありません!

でも清太は出てきます。

 あ、そうだもう1つありました。

やっとOPソングの歌詞が公開されましたね!

アニソンサイズなので短めですが、よろしくお願いします!

ありがとうございます作者様!

 それでは、早速OPソング『大好きな人』レッツゴー!









◇◇◇









 清太とさくらがカップル成立した日の夜。

颯太のスマートフォンから電話の着信音が鳴り響いた。


「そうたくーん! 電話来てるよ!」


「ま、待って! タイミング悪すぎ!」


 颯太は現在トイレで踏ん張り中。

しかも最悪のタイミング。

今から出ることは絶対に無理な状況だ。


「あ、画面が表に……あれ? 清太くんからだ。そうたくーん! 清太くんからみたいだよ!」


「あ、なぎさちゃん! 清太なら出てあげて!」


「うん! 分かった!」


 トイレに引き籠もっている颯太は渚にそう告げ、渚は急いで颯太のスマホを手に取り、ボタンを押した。


「もしもーし」


『もしもし? あ、もしかして渚ちゃんか?』


「ごめんね清太くん、そうたくんは今お手洗い中で……」


『おっ、そうか。タイミング悪かったな。まあ、渚ちゃんに先に伝えても良いんだけど……颯太もいたほうが良いからちょっと待つか』


「うん、ごめんね清太くん……」


『渚ちゃんが謝る必要はないぜ。これは颯太が悪いからよ』


 何気なく颯太のせいにする清太。

お手洗いなんて生理現象だからしょうがないのに……。

さすが、颯太には容赦ない男ですね。


「ごめんねなぎさちゃん!」


「あ、今来たよ清太くん」


『おーい遅せえよ颯太! 30秒も待たせやがって!』


「30秒しか経ってないじゃん! これくらいは許して……」


『ははっ! 冗談だ颯太。じゃあ本題に入るけど……2人にお伝えしたいことがある』


「「何?」」


『それは……』


 さあ、清太はわざとここで一間置いた。

颯太と渚は謎の緊張感に襲われ、思わず唾を飲み込んだ。


『きょ、今日からさくらとその……付き合うことになっ、た……』


「「――――」」


『――――えっとぉ……お2人さん? 反応がないと俺が反応に困るんだけど?』


「「――――ええええええええぇぇぇぇぇぇ!!!!????」」


『――――!? いきなり大声出すな! 俺の鼓膜爆発する!』


 さすが仲良し夫婦、反応が全く同じです。

顔の表情も全く同じですね。

 一方で清太はというと……右耳の鼓膜がおかしくなっている様子。

若干聞こえづらくなっている。


「しょ、清太……。そ、それって本当に言ってる?」


『ああ、嘘じゃねえよ』


「ほ、本当にさくらちゃんと付き合えたの!?」


『もちろんだ!』


「――――清太、僕たち一回泣いても良い?」


『何で!?』


 よっぽど嬉しかった2人は、今にも泣きそうになっている。

清太のほうがもっと泣きたい気持ちなのに、何故2人のほうが泣きそうになっているのかよく分からない。

清太は少し混乱していた。


「でも……良かったね清太!」


『ま、まあ……どっちかっていうと、さくらに押された感じあるけどな』


「でも、清太くんはさくらちゃんに告白されて、付き合っても良いって思ったんでしょ?」


『まあな』


「なら! 清太くんはさくらちゃんのことが好きなんだよ!」


『そう、か……そうだな。俺はいつの間にかさくらのこと本気で好きになってた。告白されて嬉しくなっていたのは、その気持ちがあったからなんだろうな。2人とも、なんかありがとな』


「僕たちはほとんど何もやってないよ……。僕たちは2人のこと応援してるから!」


『ああ! ありがとな! じゃ、また明日な』


「うん! また明日!」


「バイバーイ!」


 清太のほうから電話が切れると、受話器ボタンを押して通話を終えた。

颯太はソファーの背もたれに寄っかかると、天井を見上げた。

やっと、やっとあの2人が結ばれた。

自分はほとんど何もしてないが……。


「――――」


「――――! なぎさちゃん?」


 そんな颯太に寄りかかって来たのは渚だった。

清太から初々しい話を聞いて、颯太に告白された時を思い出していた。

あの丘の展望台で、真剣な眼差しで告白していた颯太の姿を、今でも鮮明に渚の頭の中に映し出される。


「なんだか、そうたくんに告白された時のこと思い出しちゃった」


「――――!? そ、そうなんだ……」


 恥ずかしくなって、ちょっとだけ渚から視線を逸した。

そんな颯太を見て、渚は見て欲しいとでも言うように、颯太に顔を近づけた。


「――――」


「――――そうたくん……。わたし、もっとそうたくんの顔みたいなぁ」


 そう言われて、さらに恥ずかしくなる颯太。

しかし、渚にそう言われると自分も渚の顔を見てみたいと思ってしまう。

 颯太は渚に再び視線を戻した。

するとそこには、大好きな女の子の顔が目の前にあった。

ほんのりと頬を赤くさせて、颯太を見つめている。


「そうたくん……」


 自分を抑えられなくなってしまった渚は、自分から颯太にキスをした。

颯太は驚く表情はなく、彼も最初からそうしたかったようだ。

しかし、渚からされたのはちょっと悔しかった。


「ん――――はあ……。そうたくん大好き!」


「うん、僕もなぎさちゃんのこと大好きだよ。ちょっと悔しいから……えい!」


「きゃっ!?」


 どうしても悔しかった颯太は、今度は颯太から渚を抱きしめた。

渚は驚いた表情をしていたが、その表情もだんだんと解けていき……渚も颯太をだきしめる。


「なぎさちゃん、大好きだよ」


「――――! うん、わたしもそうたくんのこと大好き!」


 はあ……何回も同じようなシーン見てますけど、やっぱり良いですねぇ!

えっ、この先の展開を見たい?

もしかしたら前の時みたいに2人が大人してる様子が見られるかもしれないから?

予め伝えておきましょう。

この後2人は……ちょっとだけ大人な展開になってます。

 ただ、これを実況するのは心を無にしないといけないので、そのシーンを見るのはまた後ほど……。

申し訳ありません……。

本当に心を無にしないと、わたくしの理性がおかしくなってしまいそうなんですよ……。

 さて、次回から新しいカップルが登場します!

どんな感じになるのかなぁ……。

楽しみにしていてください!

 それではEDソング『ドキドキ!』が聞こえてきてところでお別れの時間です!

さようなら!

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