第32話 2人でデート
皆さん……この日をまっていましたよねえええええええええ!!!!!!????
わたくしはとっっっっっっっても楽しみにしていましたああああああああ!!!
タイトルからお察しの通り、今回は『デート回』です!
『デート回』ここ大事なので、あえて二重鉤括弧にしています!
それでは、もう見たくて我慢出来ないので早速OPソングいきましょう!
◇◇◇
『デート』――――それは恋愛中または交際を期待して会うこと。
しかし、それだけではなく……友達として会って遊んだりすることも『デート』と言われることもある。
そんな状況にたった今なっているのが清太とさくらである。
しかも場所はカラオケ……学生の恋人たちがよく訪れる場所である。
まあ、たまに1人カラオケをしている人もいますが……。
でも、1人カラオケは周りに誰もいないので、自分の歌唱力の限界に挑戦できますね。
1人カラオケはメリットがたくさんあります。
まあまあ、今はこの話は置いておいて……。
「〜♪」
(いや、歌上手すぎ!)
さくらが自分のお気に入りの曲を歌っている。
その歌声は歌手に負けないほど。
今からでも歌手デビュー出来るのではないかと誰もが思う歌声だ。
さくららしい優しめの声が、ゆったりとした曲調に似合っている。
選曲も見事だ。
「〜♪ ふう……」
「いやー! やっぱさくらは何度聞いても歌上手いな! 思わず聞き入ってた」
「そ、そうかな……? ありがとう〜」
さくらが照れていると、すぐに清太の番が回ってくる。
清太が選曲したのは……ロック。
清太は見た目通りで、歌声は力強くガナリ声に近い声も出せる。
清太にロックは、これまたさくらと同じく似合っている。
その出で立ちは、とにかくかっこいい。
「――――」
清太とカラオケに来るのは何度もある。
もちろん選曲も昔から変わっていない。
しかし、今さくらの目に映っている清太はいつもとは何か違う。
普段はしないのに、この時のさくらは……。
(なんか……ドキドキする)
そう思いながら、さくらは清太の横の姿をずっと見つめていた。
「っと……。ん? どうしたさくら。俺をそんなに見て」
「えっ? わっ! ご、ごめんなさい!」
「――――? なんか今日のさくら色々おかしいぞ? 何かあったのか?」
「い、いや……。何もない、よ」
「――――もしかして……最近萩さんと話してるからか?」
「――――!」
そう言われ、さくらは表情をガラリと変えた。
一気に暗い顔になる。
(やっぱり、清太くんも雪乃さんのこと……)
そう思った瞬間、清太はいきなり頭を下げた。
さくらは思わず目を大きく見開いた。
「ごめんさくら! 俺……萩さんが好きなことは絶対にないのは断言する! 正直萩さんのことまだ怖くて……。だからさくらと話したかったんだけど……ここ最近さくらの表情が暗いから話しかけづらくて……。だから本当はもっと先に言えば良かったって後悔してるんだ! だから、遅くなっちゃったけど、本当にごめん!」
「清太くん……」
さくらはそれを聞いた瞬間、安堵の息を漏らした。
そして、あっという間に彼女の目から涙が溢れ出した。
「――――っ! 清太くんのバカ……清太くんのバカぁ!」
「――――! さくら……」
さくらの口から『バカ』という言葉を聞いたのは初めてだった。
(そうか……俺はバカだった。くそっ!)
清太は自分を強く責めた。
さくらをこんなにも大泣きさせてしまったのは自分のせいだと。
雪乃を恋愛対象として見ていなければ、絶対さくらとも話していたはずだった。
しかし、それを何故しなかったのか。
(――――そうか。あの時さくらが自ら新しい友達が出来て、俺の出番はないと思ってしまったからだ)
さくらは自ら雪乃に話しかけ、新たな友人が出来た。
それを見た清太は強くなったと安心し、そのままにしてしまったのだ。
さくらは確かに強くなった。
しかし、根の部分はいつものさくらと全く変わらない。
それを清太は気づくことが出来なかった。
「本当にごめんさくら……。いや、謝ってもダメだよな。俺はさくらに最低なことをしたんだから……」
「――――ぐすっ、そうだよ……。清太くんは最低だよ……。だから罰としてわたしを抱きしめて」
「――――」
そう言われた瞬間、清太はさくらを強く抱きしめた。
最初は驚いた表情を見せたさくらだったが、すぐに嗚咽し、そして声を上げるほど大泣きした。
今までの辛い気持ちが一気に吐き出されるような感じだった。
そして清太は……さくらが泣き止むまで強く抱きしめていた。
彼の目端には自分に対する怒りと悔しさが混ざった一筋の涙が流れていた。
◇◇◇
カラオケから出てきた清太とさくら。
このまま帰り道を進むが、2人はずっと黙ったままだ。
しかし、それで良かった。
またこうして、2人で肩を並べて歩けることが出来たのだから。
それが清太もさくらも、嬉しかった。
「ねえ、清太くん」
「ん?」
「その……ごめんなさい。急にあんなに泣いちゃって」
「いや、謝るのは俺の方だ。あれだけさくらを泣かせてしまったのは全部俺の責任だから。だから……罰としてさくらの言うことはちゃんと聞く」
「そこまでしなくて良いよ。わたしは清太くんとこうやって話せるだけで十分なの。それに……またわたしが泣き出したら慰めてくれるでしょ? だから、その時はよろしくお願いします!」
「そうか……。でも、それだけで良いのか?」
「もうっ、わたしはそれで十分だから清太くんはそうしてくれれば良いの!」
「そうか、さくらが良いというのならそうする」
「それで良しです!」
お互いに微笑みながら、また少しだけ沈黙が流れた。
すると、さくらはいきなり足を止めた。
「あれ? どうしたさくら」
「ねえ清太くん。これはちゃんと正直に答えて。もう一度聞くけど、清太くんは……雪乃さんのこと、恋愛対象で好きなの?」
「えっ!?」
「嘘はダメだからね清太くん」
しばらく戸惑う清太。
実際雪乃には全く恋愛対象に入っていない。
ただ雪乃が自ら自分に接近してくるが、清太はあくまでさくらの友人という認識だ。
「もちろん、さっきも言った通り、萩さんのことは恋愛対象ではない。正直言って、至近距離すぎて困ってる感じだ」
「ふーん、そうなんだね。雪乃さんは恋愛対象じゃないんだ……」
さくらは清太にギリギリ聞こえるか聞こえないかくらいでそう囁いた。
清太はいきなり黙り込むさくらを不思議な気持ちで見ていた。
「じゃあ清太くんにもう1つ質問するね」
「な、なんだ? ってちょっ! 近い近い!」
さくらは歩み寄ると、正面から体がくっつくかくっつかないかの距離まで詰める。
そして、清太の顔を見つめた。
「じゃあ……わたしはどうなの……?」
「――――っ!?」
清太はこの質問に確信した。
さくらは……自分のことが恋愛対象の意味で好きなのだと。
上目遣いで見つめてくるさくらの姿はやけに可愛く見えて……。
清太は思わずさくらから視線を逸した。
「ねえ、わたしから目を離さないで。ねえ、清太くん……」
(俺は……さくらのこと……)
『答えは僕が教えても楽しくないよ清太』
「――――!」
すると、清太の頭の中に流れてきた、聞き覚えのある誰かの言葉。
『理不尽だと思われるかもしれないけど、今回の清太のお悩みはすごく簡単で自分の力で解決できるもの。だから、今回だけは自分の力で頑張って欲しい!』
声の主、それは間違いなく親友の笠間 颯太だった。
あの時颯太に相談を受けていた時に、颯太が言っていた言葉だった。
(そうか、あの時わざわざ教えてくれなかったのはこういうことなのか。はは……やっぱりあいつには叶わねえな……。今回は俺の負けだ颯太……)
そして、颯太は決心した。
もう全く迷いがない目つきに変わった。
「なあさくら……。俺……俺! さくらのことが好きだ!」
「――――!?」
「やっぱりさくらを放っておけない! さくらはすぐ泣くし、すぐに引っ込み思案になりがちだ。そんなさくらを放っていた俺がバカだった! これからはさくらを守る! 傍にいる! 放っておけない、そんなさくらが俺は好きだ!」
「しょ、清太くん……!」
清太の言葉を聞いた瞬間、さくらは清太に飛びついた。
そして、清太の体をしっかりと腕を回した。
「うん、わたしも清太くんのことが好き! だから……わたしと……付き合ってくれませんか?」
「ああ、これからよろしくな。さくら!」
「――――! はい! こちらこそよろしくお願いします!」
ぎゃああああああああああああおおおおわああああああああああ!!!!!!!!
ついに……遂に2人はゴールまでたどり着きました!
なんっっっっって喜ばしいことでしょうか!
バンザーイ! バンザーイ! バンザーーーイ!
ああ、わたくしは感動しすぎて泣きそう……あ、ダメだティッシュ。
ズビビー!
ふう、はい、というわけで……感動のエンディングを迎えた32話はこれでおしまいです。
次回からは清太とさくらも新たなカップルとして生活することとなります!
一体どんなイチャイチャを見せてくれるのか……。
楽しみで仕方ないですね。
ぐへへ……。
それでは、2人が抱き合う姿を映しながらEDテーマに行きましょう!
ではまた次回!
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