第2話 入学式

正直入学式って言っても緊張はしていなかった

もともと緊張しないたちなのだ

だから

ゆっくり……

平静を保って前に進む

同じクラスの人がいたら挨拶をする

友達はいい学園生活へのキーポイントだから


「おはよう!」

「お、おはよ。」

そう、向こうも友達ができて安どの笑みを漏らしているのを逃さない


「私、桃瀬 凛歩です。よろしく!」

「私は西川 沙良、よろしくね。」

そのあとにこの言葉は必須


「沙良って読んでもいい?」

もちろん相手は断らない

「いいよ。」

「ありがと!」

これが長年培ってきた私のコミュ力


「おはようございます。」

教室に入るときは平成で大きすぎず、でも小さくないように通る声で

振り向いた人に軽く会釈


うん、完璧


いじめられてからは中心人物になるべくして頑張ってきた

ここでも頑張る


「こんにちは!」

「こんちゃー。」

ずいぶんラフだな。未来の中心人物、人気者候補、メモメモ


「私、桃瀬 凛歩です。」

「私は利根 未紗。」

よろしくねー。

中心人物とは仲良くしておくに越したことはない。

大方周りの人に自然な感じであいさつして万事OK

あとは目立たない委員会に入るが勝ち

保健か図書か


「委員会決めでーす。」

「保健委員」

男子は……え、かっこいい

保健委員になりたい気持ちがバク上がりした。

でも落ち着け私

誰かなりたい人がいたら争うことになるからダメ

ダメダメダメ

でも

「誰もいないみたいですね。」

「あ、じゃあ。」

手をあげちゃったよー悲

「じゃ、えっと桃瀬…さん?よろしくね。」

「はい。」

こうなったら頑張るぞ!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「よろしくね、桃瀬さん。」

「よろしくお願いします。えっと宮瀬 蒼空くん。」

「よろしく。」


そう、これが私と彼の恋の始まりだった。

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