第6話 私のステータスが可視化された
ギルド長は石板のような分厚い板の上にボールを乗せる。
すると石板の上に、私の名前や細かな情報が映像として映し出された。
こう書いてある。
ソフィア=エンブレム
年齢 18歳
力量 2022
魔力量 65536
適性 魔道士
推奨ランク 超級冒険者
なるほど、これで冒険者がどのくらいの力があるのかわかるってことだったのか。
「ギルドとしても無茶な依頼を任せて死なせてはダメだという思惑がある。だからこそギルドメンバーの能力はある程度は把握しておく必要がある」
「知りませんでした」
「他言はしないでいただきたい。これは一流冒険者推奨の依頼を引き受けた者にしか教えない情報だ」
私はうなずく。
力量は肉体的な力のことで、魔力量というのは魔法の力だということは見ただけで理解できた。
ただ、他の人がどれくらいなのかわからないので、これだけではなんとも思えなかった。
「この数字は良いのか悪いのか判断ができないんですが……」
「ちなみにダルム=ファイスレット氏の力量は674、魔力量はゼロだった」
「えっ……!?」
身体強化させていたダルムの力は私よりも強かったはず。
腕相撲をしたときに私は僅差で負けた。
だが、身体強化の魔法はせいぜい筋力を2倍にするのが限界だと魔法書で勉強した。
674を倍にしても、表示されている私の力量に達していない。
「このボールか石板って故障していませんか? 身体強化を発動した状態だったら、私よりダルムの方が強かったはずです」
「それはソフィアの魔法が規格外なんだよ。その魔力量で身体強化を発動したら、2倍どころかその倍以上に強化されるだろう」
4倍なら2696か……。
その割には僅差だったんだけど、それはもう力の使い方の問題なのかもしれない。
もしかして、ダルムって力の使い方が下手だったのだろうか……。
「ちなみに、ソフィアから万が一にでもパーティー入団の話を聞くようなことがあれば教えても良いと許可はいただいている。ライムハルト殿下の力量は8192で、魔力量は4096だ」
「え……!?」
「力は最強と言われている殿下に及ばないかもしれないが、ソフィアの魔力がいかに規格外なのかわかっただろう? 2人がパーティーを組めば前代未聞の最強パーティーになることは間違いない」
念のために、もう1度だけほっぺをおもいっきりつねってみた。
頬がジンジンしていて痛みは間違いない。
ユメの中ではないようだ。
……ん!?
だとしたら、ダルム達が潜っているダンジョン……かなりまずいんじゃないだろうか。
いや、私がミーンに与えた魔力が残っていればなんとかなるかな。
私は3人に対してかなり怒っているけれど、死んでほしいほど憎んでいるわけではない。
死なないでね。
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