第10話 タレントのストレス
一度目のアフターの次の日。
今日はお店には行かなかったが、出勤後(深夜1時半)にビデオ電話がかかってきており、ヨシオは電話に出た。ビデオ電話でアイリの顔を見ると、表情が暗い。
ヨシオ「大丈夫?どうしたの?」
アイリ「何でもない。大丈夫。」
ヨシオ「やっぱりおかしいよ。何かあったの?」
アイリは泣きじゃくってしまい、しばらく泣き続けた。
泣き終わると、アイリはスマホのメールを打ちだした。
アイリ「私のメール見てください」
アイリからのメールが短文でどんどん届く。
「お客さんめんどくさい。」
「すぐ、ホテルに行こうと言ってくる」
「私、言った。ソープランドじゃないですよ。ホテルには行けません。そしたらお客さんは言った。アイリちゃんはおかしいって。ホテルに行けないなら、もうお店には行かないって。」
「そのお客さんとはサヨナラしました。本当にストレスです。だからあと、2ヶ月でフィリピンに帰る事にしました。」
他にも、すぐにメールを返さないと、何件も長文のメールがきて文句や電話で怒鳴ってきたり、お店にクレームを入れるお客さんがいる事。
(お店も女の子達を守ってくれない。お客さんにきちんと対応しなさいと、女の子達が怒られるらしい。)
彼氏でもないのに携帯電話に位置情報アプリを共有にする事を強要したりしようとしたり、カラオケで身体を触ってきたり、キスを迫ってきたり。ゾッとするらしい。
しかもそれを拒否しても、お客さんは女の子がおかしい、みんなやっているよと言うらしいのだ。
そういう女の子にとって気持ち悪いお客さんや変なお客さんは他のタレントや仲のいいアルバイト達との間で情報がしっかりと共有されています。もっといえば、近くの女の子同士のつながりのあるフィリピンパブにまで。彼女達のアナログな情報網はものすごく広いです。(また別の章で書きます。)
とにかく、アイリのお客さんの愚痴を聞いてる内にいつのまにか明日またお店に行かなければならなくった…
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