異世界俳人ビキニ鎧ちゃん俳句紀行(秋) ー奥の細いひもー
ひぐらし ちまよったか
第1話
――さて、見守りゲーム・『はじめてのおせかい』である。
このゲームは、プレイヤーが自作したキャラクターへ課題を与え、それをAIが独自に解析。
三人称視点から、奮闘・解決して行く様子を『見守る』というものだ。
プレイヤーはゲーム途中、一切キャラクターへのコントロールは出来ない。
始めに唯一出来る『課題』を与えたら、後はタダひたすら、自分の『分身』がどの様に判断し、どう行動して、どんな結果を導き出すかを、自動で追いながら見つめ続けるゲームである。
もちろん『救済措置』は有る。
AIが『自分では解決不可能』と判断した場合、プレイヤーへ『質問』という形で接触してくる。
その質問に適切な『指示』をあたえ、AIに『学習』させてあげる事が、分岐であり、ゲーム攻略の重要なカギとなる。
――さてさて、そして社命である。
課題。
『ゲーム内最高絶景を探し出し、AIに俳句を詠ませる事』
浜陽新聞社・俳句部。
――と、ある。
『はじめてのおせかい』をインストールした最新PCが、狭い四畳半へと接続された。
――俺とビキニの『俳句紀行』が始まる。
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