第19話ゴールデンウィーク②いざ、お花見へ!(2)
祝3万PV達成することが出来ました!!
本当にありがとうございます!
気づけば、☆☆☆も190越えになってました。
(このまま、200までいきたい!と思う作者です。)
これからもよろしくお願いします!!
この物語が誰かの心に響き渡ることを祈りつつこれからも執筆を続けたいと思います。
では、本編をどうぞ!
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(水希視点)
いよいよ、お花見当日を迎えた。
朝早くから、私と紗理奈さんのふたりでお弁当作りに励んでいた。
実は、昨日のうちに2人で大体の下ごしらえなどを終わらせていたこともあり、朝はそれほど苦もなく、順調に作業が進んでいた……
正直、私は未だ紗理奈さんに好かれているとは思っていない……
だって、大好きなお兄さんの身体が今の状態になってしまったのは、紛れもなく私が元凶なのだから……
だから、紗理奈さんは龍星くんのいるところでは、私とも会話と呼べるくらいには話すが、こうして2人で台所に立ち作業をしている時は、本当に最低限の事しか話さない。
その間に流れる沈黙に、どこからか現れる罪悪感のようなものがあった………
そうしていると、紗理奈さんが口を開く。
「こういう日の朝に言うのもなんだか悪いんですけど、にぃには本当に優しいから、あなたのことについて何も言わないし、責めてすらいませんけど、私はいまだ水希さんのこと恨んでますよ。」
作業している手をやめてまっすぐ私の目を見つめて、はっきりと言った。
「……………はい、私も皆さんから許しを貰おうだなんて考えていません。」
「……わかっているならいいんです。
それでも、これから少しでもにぃにを傷つけることがあったら、私はあなたを本気で許しません。」
「…………はい、わかってます。
だからこそ、私のこれからの人生全てを掛けて龍星くんの歩む道を支えていきます。」
私の言葉に、紗理奈さんは俯き小さな声で
「……………私はあなたのこと恨んでいる以上に、にぃにの幸せを願っているの。
そのにぃにが、あなたと一緒にいると、本当に楽しそうに笑ったりしてるの。
だから、にぃにが幸せと思っているうちは私は水希さんとにぃにの仲を応援してるから。」
(その言葉を言うのは、本当はもっと葛藤や私に対して思っていることがあるはずなのに………)
と思い、私は心の中で彼女に何度も何度もごめんなさいとありがとうを言いながらも、口にするのは一言にした。
「ありがとうございます。」
すると、紗理奈は続けて口を開く。
「それと、いい加減その敬語とさん付けで呼ぶの止めてよね。私の方が年下なのになんか違和感がすごいから。」
「……………わかり…わかった。
これからは紗理奈ちゃんって呼ぶね?」
そう言うと、紗理奈ちゃんは満足そうに微笑みながら作業に戻った。
(このお弁当で、少しでも龍星くんの笑顔が増えますように………)
なんて、願いつつ残りの作業を終わらせ、龍星くんの家に向かうのだった。
ーーーーーーーー
お弁当を作っていた、紗理奈と水希がうちに戻ってきた。
俺は2人の様子を見て、前までよりもどこか壁がなくなったような感じがした。
そんなことを考えていると……
水希が俺の方を見て、
「そろそろ、出発しないと待ち合わせの時間に遅れますよ?」
と言われ、俺は思わず時計を見ると予定していた出発時間を過ぎていた。
本来なら、駅まで走るなりして、急げばなんてことのない遅れだが、車椅子の俺にとってはそれは難しい問題だった。
そうして、内心焦っていると……
リビングから母さんが出てきて、
「ふふっ、今回は私が車を出すから心配ご無用です!!」
と言って微笑みながら俺たちに車に乗るように促す。
ーーーーーー
母さんのおかげで、海周たちとの待ち合わせに間に合うことが出来た。
車から俺が降りるのを水希が手伝ってくれて難なく合流することが出来た。
海周達も俺たちに気づき、早足で駆け寄ってくる。
「おっす!今日のお花見楽しもうぜ!」
と、会って一番ハイテンションで海周が言う。
「もう、海周は暑苦しいのよ……
まあ、でも今日はたのしみましょうね。」
海周の横で、小さなため息をしつつもどこか楽しみを隠せていない木村さんが言う。
「そうですね!
私と紗理奈ちゃんで腕によりをかけてお弁当を作って来たので楽しみにしていてくださいね。」
と、水希が言うと俺の後ろにいた紗理奈が
「そうだね!私ずっと楽しみ過ぎて寝れなかったもん!
お弁当も期待しておいてね!」
と、水希と互いに顔を見合わせながら微笑む2人。
そんな2人を眺めながら、
「今日は本当に楽しみだ。
それに、水希と紗理奈の2人が仲良くなっていてとても嬉しいよ。」
と言うと、2人の頬が赤く染まる。
木村さんと海周が龍星の方を向き、そっと
「「天然のたらしめ……」」
と呟くもその声は本人に届くことはなかった。
俺たちは市内でも有名なお花見ができる公園に来ていた。
「おぉ────!!結構桜残ってるぜ!」
と、海周が叫ぶ。
「今年は、遅咲きだったからギリギリ残ってるって感じかもねー。それにしても天気も快晴だし、ほんとにお花見日和だねー!」
と木村さんが言うと、俺も思わず木々に残る僅かな桜を見つめて、
「そうだね。これだったら一応お花見って言えるね。じゃあ早速シートをひいて準備しようか。」
その言葉に水希も頷き、車椅子の持ち手に引っ掛けてあったレジャーシートの入った袋を取り出して、絶好のポジションを定めてひく。
シートをひいて、水希と紗理奈は作ったお弁当を並べて、海周と星奈は持ってきたジュースやお菓子を広げる。
俺もお箸や紙コップなど自分ができる範囲で準備をする。
「それじゃあ、準備も整ったところで…
早速だけど、乾杯ー!!」
「「「「 乾杯!!! 」」」」
と言って、次々にお弁当の方に手をやる。
お弁当は主に、サンドウィッチやおにぎりをはじめとして手で掴んで食べれるようにされていた。
俺は、サンドウィッチ1つを左手で掴み1口食べる。
「とても美味しいよ。特に中に入ってるこのソースが食欲を誘ってくる感じだ。」
と言うと、紗理奈がドヤ顔で
「そうでしょ!
みんなが食べやすくて、いっぱい食べてくれるように、2人で試行錯誤したもん!
ね、水希ちゃん!」
と言って、水希も頷き、
「お口に合って良かったです。
頑張った甲斐があったね、紗理奈ちゃん!」
と言って2人で喜び合っていた。
「うん、これは本当に美味いね!
どこかの料理音痴とは比べ物にならんな」
と海周は言うとそっと横に座る星奈の方に視線を向ける。
「…悪かったわね、料理音痴で。
見てなさいよ!次に海周たちに食べてもらう時はこれに負けないくらい美味しいもの作ってあげるからね。」
と、星奈は海周にむかって指をさしてそう宣言する。
「ほぉぉ、そう言うなら楽しみにしとくぜ。」
と、挑発する海周。
そんな2人を見ながら俺たち3人は微笑みながら、残り僅かな桜を楽しんだ…………。
ーーーーーー
「ほんとに今日は楽しかったよ!
また、みんなで遊びに行こうぜ!!」
と、海周が言うと星奈も
「ほんとに海周はテンション高すぎなのよ……。でも、私も今日すっごく楽しかった!次もこのメンバーで遊びたいね!」
と言うと俺も頷き、
「そうだな。今日は楽しかった。
次の機会もこのメンバーで行こうか。」
その言葉に水希と紗理奈も頷きつつ
「そうですね、次どこ行くかまたみんなで考えましょうね。」
「うんうん!次はBBQとかもいいかもね!」
そんな感じで盛り上がりつつも、早い時間だけど、解散することになった。
〜〜帰り道〜〜
帰る時に紗理奈は星奈に、少し紗理奈ちゃん借りるね!と言って連行され、それに巻き添えにされる形で海周も連れていかれた。
そんなこんなで、帰りは俺と水希の2人になった。
最寄り駅に着いて、家に向かって水希は車椅子を押しながら2人で帰っていた。
そうしていると、不意に水希が
「今日は本当に楽しかったですね。」
と言ってきたので、俺も頷き
「そうだな、楽し過ぎて時間があっという間に過ぎたって感じだった。」
その言葉に微笑みつつ、
「本当にそうですね。
それとは別で、私は嬉しかったです。」
その言葉に俺は首を傾げていると…
水希が続ける。
「あんなに楽しそうに笑う龍星くんは今まで見ていなかったので。」
その言葉に俺は思わず苦笑して、
「そうだったかな?
でもたぶん、今日1日だけはあの日から今までで一番リラックスできてたかも。」
「そうですね、ほんとに今まで龍星くんは頑張ってましたから。
今日はそんな龍星くんが楽しそうにしている姿を見ることが出来て私も嬉しかったのですよ。」
「まったく…水希には敵わないな。」
なんて言葉を水希にかける。
水希はそんな龍星の後ろ姿を見つめながら、
(あなたは他の人よりも何倍も苦しく辛いことがあったのだから、それに見合うくらい幸せで楽しい時間を享受する資格があるんですよ? いつの日かあなたが今日みたいな笑顔を毎日浮かべてくれますように………)
と内心で願うのだった。
そんな2人を赤く染る夕日がそっと照らすのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いかがでしたか?
はじめに、昨日投稿する予定でしたが、書き留めていた分のデータが丸ごと消えていて、ここまで遅れましたことをお詫びします。
しっかり保存しろよ、自分!と思いつつ、急いで書いた次第です。
これからも応援の程よろしくお願いします!
よろしければご感想などをコメントしてくださいね!
では、また次回お楽しみに!
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