第15話 秘密の女子会(?)

祝1.7万PV達成!

読んでくださった方本当にありがとうございます!


これからも、自分のペースで頑張りますので応援のほどよろしくお願いします!!!



さて、今回は前回の龍星たちの裏側で起こった水希たちのお話です。



では本編をどうぞ!!


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(水希視点)


私の朝は、普通の人に比べて早い方だと思う。5:30に目覚ましが鳴り、私の一日は始まる。


最近、私は朝起きて軽くストレッチをしてからランニングに向かうのが日課になっている。


一日のほとんどを龍星くんの隣で過ごすことが多いため、必然的に運動量が減っているせいか、ここ最近で少しお腹周りがすこしふっくらとしてきた印象があったためだ。


毎日、一緒にいる龍星くんに、間違っても太った、と言われたくない乙女心からでもある。



そんなこんなで、毎日の日課を終わらせ、家に帰ってくると、リビングにはお母さんが作ってくれた朝ごはんが準備されている。


私と違って、お母さんの料理は本当に美味しい。それに比べて私の料理は……


まあ、いずれ龍星くんに美味しい料理を食べてもらうために私も頑張る!と美味しい朝ごはんを口にしながら、心の内で誓う。


そこから、軽くシャワーを浴びて、着替えをする。

そこから、メイクをするわけだけど、

世の女性のことはあまり分からないけど、私の場合はあまり濃いメイクはせずにいつも最低限に抑えている。


理由?そんなもの簡単ですよ。


それは、1秒でも早く龍星くんと会いたいからです!!

(本人には言えないけど……)



そんなこんなで準備を済まし、時計が7:30を示す頃に、私は家を出て龍星くんの家に向かう。向かうと言っても隣なので、すぐ着くのだけどね……。


そして、ポケットから由里子さんから預かっている合鍵を使って家に入る。


玄関を抜け、リビングに入ると由里子さんと紗理奈ちゃん、健さんが出迎えてくれる。


そして、いつも決まったように、由里子さんが、

「いつも悪いのだけど、龍星の方に行ってお手伝いしてくれる?」


その言葉に私は笑顔で頷き

「はい、お任せ下さい。」


と言って1階にある龍星くんの部屋へと向かう。


龍星くんの部屋に入ると、ベッドの上で気持ちよさそうに寝息を立てながら、寝ている龍星くんの姿があった。



私は、そんな、どこか可愛らしい彼の寝顔を眺めつつ、優しく起こす。


何度か身体を揺さぶるうちに徐々に目が覚めてきた龍星くんが、

「……おはよう、水希。いつもありがと。」


と、どこか寝ぼけた表情で言う。


そんな彼を愛しく思いつつ、


「おはようございます、龍星くん。

さっそくですけど着替えましょうか。」


と言って、彼の上半身を丁寧に起こし、着替えを素早く準備する。


これまでのリハビリで大抵の事はできるようになりましたが、着替えだけは1人でできないので、こうして私がいつも手助けをさせてもらっています。


慣れた手つきで彼の着替えを手伝い、屋内での移動に使う車椅子を準備します。


そこから、彼は朝食を取り、午前のリハビリをするのがいつものルーティンです。



今日は休日で、紗理奈ちゃんたちもいたので私は横で彼が頑張っている姿を陰ながら見守ることにしました。


由里子さんの入れてくれたお茶を飲みながら見ていると……


由里子さんが、私に駆け寄ってきて、

「これから、水希ちゃん予定ある?」


と言われたので、

「えーと、今日も龍星くんのお手伝いをしようかと思ってます。」


「なら、今日はパパと紗理奈がいるからちょっとだけ時間くれるかな?」


私は龍星くんの方を一瞬見て

「もちろん、大丈夫ですよ。

それで私に用か何かですか?」


「うん。でもここじゃ話せないことだから、近くの喫茶店でも行って、ね?」


「……わかりました。」



そうして、龍星くんのリハビリがキリのいいところでまで終わるのを見守り、由里子さんの行きつけの喫茶店に向かいました。



私たちが喫茶店に入ると……




なんと、お店に悠月さんと舞さんが座って私たちを待っていたのです。



由里子さんは私に申し訳なさそうに


「騙すようなことして、ごめんね。」


「……えっと、...これは?」


「悠月ちゃんと舞ちゃんがどうしても水希ちゃんとお話したいことがあるらしくてね。

あとは若い子同士でよろしくねー。」


と言うと、そそくさと由里子さんはお店を出ていきました。


取り残された私はどうすればいいのかと迷っていると……


舞さんが

「水希さん、こっちに来て私たちとお話しましょう。」


と鋭い視線と共に言ってきたので、私は2人の座る席へと向かう。



席に着き、私が注文したものが運ばれてくるまで、その空間は静寂に支配されていました。



注文した商品が到着すると、


舞さんが口を開ける

「それで、話したいことなんだけどね……」


私はあまりに鋭く向けられる視線に身体を緊張しながら、


「あなた、本当のところは龍星くんのことはどう思ってるの?」


そう言うと、舞さんの隣に座っている悠月さんも同じくこちらに顔を向ける。


私は、急な質問に驚き、

「どう思ってるですか......?」


「そう。」

と、舞さんが言う。

すると、今まで黙っていた悠月さんが、


「龍星くんのこと...ほんとに好きなんですか?」


とかなり真っ直ぐな質問を私に投げかける。


そのどこまでも真っ直ぐな目に私も本音をぶつけることにした。


「好きですよ。世界の誰よりも、私は彼を愛しています。」


すると、舞さんが

「その好きってのは、龍星くんがあなたのことを助けたことによる吊り橋効果的なものじゃないの?」


私は平然と答える。

「そうかもしれません。

あのときもう死ぬとまで覚悟した私を命懸けで龍星くんは多大な犠牲を払ってまで助けてくれました。それに、私は応えないといけないとずっとずっと思っていました。多分最初は罪滅ぼしのようなものだったと思います。


それでも………毎日彼の病室を訪れ、毎日訪れる彼を知る人に話を聞く度に彼の優しさやかっこいい所を知りました。


そして、彼が目を覚ました時に私に言ったんです。『君が無事でよかった』って。


それを聞いた時に私は彼のことをずっと傍で支えたいと思いました。その時には罪滅ぼしの気持ちはなく、本心からそう思ったのです。

その彼の優しさに、人間性に私は惹かれました。」



そう言うと、悠月さんと舞さんは顔を見合せて、どこか呆れたような顔をして、

「ほんとに、龍星くんが好きなんだね、水希さんは。」


「……そうだね。今のだけを聞いても嫌でも分かっちゃうよ。」


と二人とも先程とは違って温厚な表情を浮かべながら言う。


「お二人とも、本当に龍星くんのことを大切に思っているんですね。」

そんな、私の言葉に

舞さんは笑みを浮かべ

「当たり前だよ、私たちは幼なじみで親友なんだから。」


悠月さんも、微笑みながら、

「全くもってね。私の大切な人だもん。」


そんな雰囲気を見てか、舞さんが、


「あーあ、これで水希さんが罪滅ぼしとかで、龍星くんの隣にいるならビシッと言ってあげようと思ってたんだけどなあー。

そんな必要もなかったようだね。」


と、私に向かって言う。

私は軽く頭を下げ、

「お気遣いありがとうございます。」


と言うと、


舞さんが笑いつつ、

「てか、言葉遣い固くない?

私たちにはもっとフランクでいいよ。

私のことは舞って呼んでよ。私も水希って呼ぶからさ。」


「……では舞ちゃんと呼んでもいい?」


「もちろん!」

と、舞ちゃんと私で言っていると、仲間外れにされたと思ったのか、悠月さんも

「えぇー、私も悠月って呼んでいいよ!

だから、水希ちゃんって呼んでいい?」


「もちろん!私は悠月ちゃんって呼ばれてもらうね!」


「うん!よろしくね、水希ちゃん!」


とか言っていると、

舞ちゃんが、

「私らの言いたいことは言ったし、ここからは、自分たちの知らない龍星くんのこととか話し合っちゃう?」


と言うと、悠月ちゃんも乗り気なようで


「それ、賛成!!」


と言っているので、私も特に反対はなかったので、頷く。



そこから、龍星くんに秘密のガールズトークが開始されたのであった。




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〜おまけ〜

(水希が帰ったあと……)


舞「私たち……失恋しちゃったね。」


悠月「そうだね……。でもこれでよかったのかもね。」


舞「どうして?」


悠月「だって、今の龍星くん、本当に毎日大変そうだけど、前よりもどこか楽しそうだからかな。」


舞「それは言えてるかもね。あの子と会えて龍星くんも良かったのかもね。」


悠月「うん、そうだね。でも、私はこの気持ちを諦めるつもりないよ。」


舞「当然、私もね。」


悠月「水希ちゃんがちょっとでも龍星くんを不幸にすることがあったなら私が龍星くんの隣を貰うから。」


舞「その時は、私と競うことになるね。」


と、言って2人はお互い、笑いつつ家に向かって帰るのであった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


いかがでしたか?



今回は水希が主役でした!

彼女の一途な思いが伝われば幸いです。



面白い!続きが気になる!!と思ってくれた方は、応援、フォロー、☆☆☆などなどよろしくお願いします!


コメントもぜひ!!


次回もお楽しみに!

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