第2話目を覚ますと美少女が俺の手を握っていた。

新作「超人気俳優が女子高校生を好きになるのはダメなことですか?」始めました。

こちらもよろしくお願いします!


今回でヒロインが本格的に登場です!

では本編をどうぞ!


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俺の手を、なにか、暖かいものが包み込むような感覚がした。


それと共に、女性の声で、

「お願いします、神様。どうか私の全てを差し出しますので、彼の目を覚ましてあげてください。」



と、どこか涙声でそう言われた気がした。



そんな声に導かれるようにして、俺は目を覚ましたのだった。



「…………ここは……」


目を覚まして、最初に思ったことはここがどこなのだろうということだった。


なにせ、見慣れない天井、自分を覆い尽くす名前も知らない機械たちがあったのだから。


そんなことを思っていると…………


ベッドの横にいた女性が、俺が目を覚ましたことに気づき、


「…………目を覚ましてくれた。

急いで、先生を呼ばないと…………。」


と言うと、彼女は目尻から涙をこぼしながら、医者を呼びに走っていった。


しばらくして、医者と看護師がものすごい勢いで病室を訪れて、


「……………………なんて奇跡だ。

よかった、目を覚ますことができて。」


医者と思われる中年の男性が心底安心するかのようにそう言う。


そんな彼に、俺はどうにかして口を開く。

「こ...こは…?

あのひと...はどう...なった?」



それを、驚いたかのように医者の男性が


「ここは病院です。あなたが事故の際助けた女性は無事です。さっき私たちを呼んでくれた女性がその人ですよ。」


「…………そっか。

助けることが...できたのか。よかった」



傍にいた看護師の女性はどこか歯切れの悪い表情で、


「もうしばらくすると、ご家族の皆さんも来られると思うので、安静にしてくださいね」


と言うと、一通り検査が終わり、医者と看護師が病室から出ていった。


すると、入れ違うように、先程の女性が病室に入ってくる。


「…………本当に良かったです。」


未だに涙が止まらずそう言う彼女に、俺が



「君が……あの時の子?」



「……はい。あの時、命を助けてくださったのが私、渡邊水希(わたなべみずき)です。

あの時は本当に本当にありがとうございます。」


そう言うと、

肩にまっすぐ伸びる綺麗な黒髪、日本人離れした整った容姿、綺麗な灰色の瞳を持つ彼女は、


深く深く頭を下げていた。


徐々に感覚が戻ってきた俺は

「そこまで、感謝することじゃないよ。

それに俺は当たり前のことをしただけだ。」


その言葉に頭を上げた彼女は、必死に歯を食いしばり、涙を堪えながら…………


「…………でも、私のせいで…………

あなたの人生が…………。」


そう言われて気づいた。


確かにさっきから意識ははっきりしているのに、体の感覚がおかしいことに。


いや、正確に言えば、まるでそこにあるはずのものがないような違和感に気づいたのだ。


俺は、そこで気づいた。


普通ならあるはずの四肢の半分がないことに………………。



俺の表情を悟った彼女は再び頭を地面につけるかの勢いで下げて、


「本当に…………申し訳ありません。

私のせいで、あなたの右腕と右足が...」



どうやら、あの事故で俺は右腕と右足をなくしてしまったようだった。


正直、驚きを隠せずにいた。

この場で、泣き叫びたいほどの絶望が俺を襲った。

だけど、横にいる、今も深く頭を下げ続ける女の子を見て、どうにかその感情を押し殺して



「あちゃー、そうなのか。でも、よかった」


意外な発言だったのか思わず彼女は頭を上げ俺の方を見る。


「…………よかったって……」


だから俺は彼女を安心させるためにつとめて軽く、なんでもないように


「だって、俺の腕と足を犠牲にするだけで、君は無事でいられたんだろ?

なら、そんな足や腕の1本や2本なくなるくらい安いもんだよ。」


「ーーーー」

俺の意図を知ってか知らずか、それを聞き彼女はどうにか作った笑顔で


「改めて、感謝を申し上げます。」



ーーーーーーー


しばらくして、俺の家族が到着した。


平日の昼間なのに、父と母は仕事場を抜けて、5つ下の妹も学校を抜けて制服姿で来てくれたようだった。



まあ、軽く紹介しておくことにする。

ーー親父、九条健。見た目はヤクザのようだが、母さんと子供を1番に考える理想的な父親だ。

母、九条由里子。とても子供2人がいるようには見えないスタイルで、顔は30代と言っても通じるほど綺麗な顔立ちをしている。

両方とも、親バカだ。

妹、九条紗理奈。見た目は、母さんに似てとても可愛らしく、中学では学年一の美少女と呼ばれていたらしい。生粋のブラコンなのだが。ーーーー



まあ、そういうわけで、3人とも連絡を貰って直ぐに病院に来たようで、、どこか息が上がっている感じがした。


そんな3人だったが、病室に入ってすぐ、俺の顔を見て、、

一斉に飛び込んできて、、、

「…………よく目を覚ましたな。

本当によかった。よくがんばったな。」


と父は大人げなく涙を流しながら言う。


「うんうん。りゅうせいよく頑張ったわね。目を覚まさないんじゃないかと本気で心配したんだから…………」


ここが病室だと思っていないんじゃないかと言うほど俺に抱きつき、涙を流す母。



「にぃにが無事でよかったよ〜!

もうほんと一生、会えないかと思ったよぉ〜」


と涙と一緒に鼻水を垂らしながら言う妹。



だから俺はそんな3人に、

「一生って、大袈裟だな。

あの事故から数日しか経ってないだろ?」



そんな俺の言葉に、そばにいた美月を含めて4人は、どこか気まずそうに


「「「「ーーーー。」」」」


すると、母が口を開く。


「落ち着いて聞いてね、龍星。

あの事故から今日でもう3年経ってるの、、」




「えっ?」


俺は理解するまでにしばらく時間がかかった。


そんな俺を見て、水希が口を開く。

「全て、お話します。

あの日から今日までのことを…………。」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


面白い!続きが気になる!!とすこしでも思ってくれたら☆☆☆をくださると大変嬉しいです。


次回は、美月視点でのお話です。

ではお楽しみに!

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