第709話 Bちゃんち 6

【登場人物】

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

トキワいま  DStars零期生 事務所発足の切っ掛けになったV

Bちゃん   DStars裏方兼事務職員 広報配信を担当


社長     DStarsの社長 ときどき無茶ぶりするが敏腕

麦畑一二三  だいさんじ所属VTuber おかまのエルフ

Mr.天狗  川崎ばにらの母の友人 天狗の能面を被っている


【シチュエーション】

Bちゃん荒む(そりゃしかたない)。


◇ ◇ ◇ ◇



Bちゃ「うぅっ、もうやだ! こんな会社辞めてやる!」


   「次のおボーナスが出たら、普通の会社に就職するんだ!」


社 長「とか言っちゃって」


   「けっきょくいまちゃんが大事で戻ってくるくせに」



   「友達のいまちゃんを助けるために」


   「前職を蹴ってまでこの業界に飛び込んだんでしょ」


   「本当に不器用な娘なんだから……!」



い ま「ごめんねBちゃん。私のわがままにつき合ってくれて」


   「あともうちょっとだけつき合って……ネ?」


ばにら(……うん?)


   (あともうちょっとって、どういうことバニ?)


   (いま先輩、もしかしてなにかあるバニか?)


一二三「不器用な娘って、見ててハラハラしちゃうわよね」


   「分かるわぁ~」


天 狗「天狗も」


ばにら「いや、あんたらどこにそんなアットホーム要素あるバニか?」



一二三「おや、さきほどの名乗りを聞いていなかったのか?」


   「妾はクランベリー王国第一第二第三王女であるぞ?」


   「リーゼロッテの兄であるぞ?」


ばにら「悪ノリからはじまった謎設定やろがい!」


   「どこまで引っ張るんじゃい!」



―――――――

補足 第一第二第三王女

―――――――


とある視聴者参加型凸待ち企画で生まれた設定。

司会者のVが悪乗りで麦畑に「リーゼロッテ・クランベリーさんですよね?」と尋ねたところ、それに麦畑が乗った。さらに、リーゼロッテに「麦畑一二三さんですか?」と尋ね、それを認めたために番組はカオスへと陥っていく……!


以来、リーゼロッテ・クランベリーの兄という非公式設定が追加された。

ちなみに普通に慕われている模様。リーゼロッテ曰く「歳が離れているのと、オカマなので接しやすい」のだとかどうとか。よかったね、一二三さん。


―――――――



天 狗「天狗はちゃんと娘がいるぞ!」


   「年頃の娘が! 嫌われててまったく話せていないけれど!」


ばにら「そりゃあんた、そんなお面被ってふざけてたら」


   「年頃の娘さんは普通に毛嫌いするバニよ」



天 狗「ひどい! 天狗、号泣!」



社 長「ちょっとばにらちゃん! 団長を弄るのはやめてあげて!」


   「彼の家庭はね、かなり複雑な事情を持っているのよ!」


   「一般的なご家庭の尺度で考えちゃいけないの!」


一二三「そうよそうよ!」


   「団長、気にしなくていいのよ!」


   「貴方がいい人だってことは、団員のみんなはちゃんと知ってるから!」


   「みんな貴方の力になりたくて集まった仲間なんだから」



ばにら「はぁ~! たかがゲーマーのギルドごときで大げさバニよ!」


   「だいたい聖十字護竜騎士団なんて厨二病なネーミングセンスで」


   「年頃の娘が心配とか言われちゃっても、ピンと来ないバニねぇ!」



   「いい歳して、ネットゲームにうつつを抜かす親なんて」


   「ばに~らでも恥ずかしくってイヤになっちゃうバニよ」



天 狗「ぐふぅううううううううッ!!!!」


社 長「だ、団長ォオオオオッ!」


一二三「おめーのかーちゃんが副団長してるギルドだぞ!」


   「どういう神経してたら、そんなことが言えるんだ!」



   「てめえの血は何色だぁ~~~~ッ!」



ばにら「ば~にばにばに!www」


   「昼間さんざんからかってくれたお礼バニよ!www」



社 長「ばにらちゃん! 言っていいことと、悪いことがあるわよ!」


   「本当に団長はね……娘さんとの接し方に苦労しているの!」


   「別に会いたくなくて会ってないわけじゃないのよ!」



ばにら「ばに? 年頃の反抗期的なアレじゃないバニですか?」



一二三「まぁ、その詳細は団長から聞いて欲しいんだけれど」


   「本当に『死んでしまった方がいいかもしれない』ってほど」


   「思い悩んだ時期が、彼にはあったのよ……」



   「そして、そんな寂しさを紛らわすために」


   「MMORPGの世界に降臨した彼は」


   「まるで現実の鬱憤を晴らすかのように悪鬼羅刹と化した」



社 長「そんな彼に声をかけてはげまし」


   「聖十字護竜騎士団を結成させたのが……副団長」


   「ばにらちゃんのお母さんなんだよ」



ばにら「えぇ~、本当ばにか~?」


   「軽いノリのゲームサークルだったんじゃないバニ~?」


   「お母さんの時代は、MMORPGが大流行だったバニから~!」



一二三「利いた風な口をきくな~~~~!(大激怒)」


社 長「ゲンガン! ゲンガン、落ち着いて!」


   「ばにらちゃんの煽り能力は、DStarsでも一・二を争うわ!」


   「まともにやりとりしちゃダメよ!」


ばにら「ば~にばにばにwww ばにばにwww」



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



天狗、いったいなにがあったんでしょうね。

まったくもって話の本筋とは関係なさそうですが。

というか、これVTuber小説ですので、天狗はお控えくださいですね。


だからはよ次のお家! と、そんなところで、天狗から若い娘さんに東京で住むためのアドバイスが。そんなん、家を選ぶ前に言えやというものですが、タイミングが悪かった。はたして、彼はばにらにどんなアドバイスを送るのか――ということで、天狗の正体が分かった方は、ぜひぜひコメントよろしくお願いいたします。m(__)m

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