第705話 Bちゃんち 2

【登場人物】

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

トキワいま  DStars零期生 事務所発足の切っ掛けになったV

Bちゃん   DStars裏方兼事務職員 広報配信を担当


【シチュエーション】

ばにら無事に会社に保護される。

ずんさんハウスではなく、事務所という名のBちゃんちへ……。


◇ ◇ ◇ ◇



い ま「それにしても大変だったねばにらちゃん」


   「私もBちゃんから聞いて飲んでたジュースこぼしちゃった」


ばにら「ご心配をおかけして申し訳ないバニ」


   「いま先輩には本当に、なにからなにまで心配してもらって」


い ま「いいのいいの気にしないで。無事だったんだからOKだよ」


   「ただまぁ……この話しは、あまりたるきちにはしないようにね?」


   「彼女、ばにらちゃんのことをすごく大切に思ってるから」


ばにら「ばに~らのことを?」


   「たるとちゃん、そんなにばにらに親近感を持っててくれたバニか」


   「ばにらもそう思ってもらえて嬉しいバニよ!(無邪気)」



い ま「そうだね、だから私が紫の芋の人って話も」


   「たるきちには内緒にしようね(暗黒微笑)」



ばにら「はい! バニ!」


Bちゃ「とりあえず、警察の方への説明は私と社長の方からしておきました」


   「ばにらさんは暴漢の特徴だとか当時の状況だとか」


   「そういうことをお話いただければ大丈夫ですよ」


ばにら「ごめんねBちゃん」


   「本当はばにらがしっかり自分でやらなきゃいけないのに」


Bちゃ「まぁ、ばにらさんにそういう人間的な常識は」


   「私も求めてませんから」


ばにら「それはちょっと発言としてどうバニなんですか?」


Bちゃ「まあ、冗談はともかくとして」


   「タレントさんはご多忙ですから、それをサポートするのが」


   「私たち会社員の仕事になります」


   「困ったことがあったら、遠慮なく頼ってください」


   「これが私の仕事ですから」



ばにら「Bちゃん……!」


い ま「とか言って澄ましてるけどね?」


   「ばにらちゃんの話を聞いてから、事務所で大騒ぎしてたのよ?」


   「Bちゃんもなんだかんだでかわいいところあるよねw」



Bちゃ「いまッ!!!!(赤面)」



ばにら「ごめん、Bちゃん。そんなに心配してもらってたなんて」


   「ばに~らは、本当に果報者バニですよ……」


Bちゃ「まあ、はい。ばにらさんは、私たちの会社の希望ですから」


   「もちろん、他のタレントのみなさんもですし」


   「これからデビューされる四期生の方々もですけど」



ばにら「あ、そうだ! 四期生で思い出したバニ!」


   「かりんちゃん! 回線切断したの忘れてた!」



い ま「あ~、あれはよくなかったねぇ!」


Bちゃ「勝手に先行デビューさせちゃったんですから」


   「そこはちゃんとうまくフォローしてあげてくださいよ」


   「頼みますよばにらさん、こっちも信頼して預けたんですから」



ばにら「いやいやいやいや! あんな陰キャの相手無理バニですよ!」


   「陰キャと陰キャを掛け合わせれば陽キャになったりしませんから!」


   「シナジーも発生しませんから!」



   「なんでばに~らに、あんな難易度高いのを任せるバニか!」


   「もっとごりらちゃんみたいな、素直な娘がよかったバニよ!」



い ま「ばにらちゃん(圧)」


   「私が言うのもなんだけれど」


   「自分に憧れてやってきた後輩を、そんな風に突き放すのは」


   「絶対によくないと思うよ?」


ばにら「……い、いま先輩」


い ま「ずんだちゃんにばにらちゃんも」


   「いろんなことを教えてもらったでしょ?」


   「今度は、ばにらちゃんがずんだちゃんにしてもらったことを」


   「かりんちゃんにしてあげる番なんだよ」



   「そうやって、先輩・後輩っていうのは回っていくものなんだから」



ばにら「それはばに~らも、部活とかやってましたし」


   「社会人経験もあるから、分かってはいるんですけど」



   「けど、初手からあんなに怯えられてたんじゃ」


   「こっちがどれだけ手を差し伸べても、逃げられちゃうんじゃ」


   「もうどうしようもないって、思っちまうバニなんです」



い ま「……わかった」


   「それなら私もかりんちゃんの教育に」


   「ひと肌脱いであげるよ」



ばにら「いま先輩⁉」


Bちゃ「いま⁉」



い ま「後輩を育てるってことがどういうことか」


   「VTuberのやりかたを、ばにらちゃんに教えてあげる」



   「それなら、ばにらちゃんもかりんちゃんに向き合えるね?」



ばにら「…………はい! 頑張ってみるバニ!」



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



DStars発足の立て役者にして、誰よりも多くの後輩を持っているVTuberのトキワいま。それだけに、後輩への思いは強いものがある……!

かりんちゃんの陰キャムーブに、もう無理とあきらめかけていたばにら。

そんな彼女に手を差し伸べたのは、誰よりも頼りになる先輩なのだった。


まぁ、オチは言うまでもないですね!(爆破!!!!)


次回。いろいろな書類仕事を終わらせて、事務所ことBちゃんちに到着。そこでばにらを待っていたのは、常軌を逸した社畜OLの晩飯事情であった。Bちゃんが普段、どんな食生活をしているのか――気になる方は、ぜひぜひ評価・フォロー・応援などよろしくお願いいたします。m(__)m

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