第601話 高円寺ラムは悪くない その2

【登場人物】

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

宮古島たると DStars零期生 事務所の絶対的清楚歌姫

渋谷いく   DStars2期生 陰キャオタ女系VTuber

高円寺ラム  DStars4期生 パリピストリート系V


【シチュエーション】

歌唱レッスン前。

楽屋待ちで不穏な二人(いく&ラム)を見たばにら……。



◇ ◇ ◇ ◇



い く「それじゃ、よろしく……」


   「オナシャス……(ボソボソ)」


ラ ム「もっと腹から声だせぇ(↑)」


   「そんなんでVTuberやれると思ってるのかぁ(↑)」


   「このすっとこどっこいよっこいしょぉ(↑)」



い く「やれてるんだがぁ⁉」


   「割と人気のVTuberなんだがぁ⁉」



ラ ム「いくパイのことを思って」


   「私は厳しくさせていただきますよ」


   「まずはその陰キャを直さないことには」


   「なにも解決しないと見ました」


   「ということで……!」



   「陰キャ矯正トレーニング!」


   「開始だァ! オラァ!」



い く「この先生、スパルタだよぉ……」


   「後輩なのにぃ、む~りぃ~……」



◇ ◇ ◇ ◇



ばにら「なにやってるバニですかこれ?(困惑)」


たると「それを確認するんじゃなかったさ?(ツッコミ)」


ばにら「いやいや、流石にやってることが意味不明すぎて」


   「なにがなんだかさっぱりバニよ」


   「いくたんの陰キャを矯正するって……」



   「そんなのできたら、陰キャは苦労してないバニよ(どんより)」



たると「そ、そんなことないさぁ~!」


   「最近は、ばにらちゃんも、いろんな先輩とお話できるようになって!」


   「ちょっとずつ陽キャっぽくなってきてるさぁ~!」


ばにら「本当バニか? ばに~らに嘘ついてないバニか?」


たると「嘘吐いてどうするの! 本当さぁ!」


   「本当……」



   「いくたん、あひるちゃん、ぽめらちゃん、りんごちゃん」


   「そしてずんさんと……いろいろたらしこんでるよね(圧)」



ばにら(たるとちゃん、よく見ててくれるバニなぁ)


   (本当に、頼りになる先輩バニよ!)


たると(ゆきちゃんは、最近おこめちゃんとのユニットで忙しい)


   (争奪戦から抜けたと思ったら、すぐにハーレムを築く)


   (まったくばにらちゃん、なんて罪なVTuberなの)



   (けど、それが良い! イイ! すごく良い!)



【※宮古島たるとは清楚歌姫です。おそらく、たぶん、ぜったい】



◇ ◇ ◇ ◇



ラ ム「陰キャを直すために、まず必要なのは」


   「人との距離感を掴むことだよ」


   「陰キャはこれができてなくて、失敗しちゃうからね!」


い く「それはなんだか、よく分かるような……」


   「分かりすぎて、胃がヴェってなるような……(遠い目)」


ラ ム「というわけで、いくたん!」


   「もう一度、挨拶のやり直しだよ!」


   「私に、陽キャっぽく挨拶してみんさい!」


い く「えっ、えっ⁉ い、いきなりぃ……⁉」


ラ ム「ほら! いくよ~! 3、2、1……ハイ!」



い く「ウェーイ! ラムちゃんじゃーん! どしたのこんな所で!」


   「もしかして暇してるー? だったら、いくきんTV出ようぜ!」


   「二人で一緒にパーリィーナイトしちゃおうZE!」



ラ ム「…………(真顔&ドン引き)」



い く「……あっ、あっ、あっ……スゥー……」



   「ミジンコになりたひ(瀕死)」



◇ ◇ ◇ ◇



ばにら「いくたん死んでるやん!w」


   「なにしてんねん! あの新人!w」


たると「あー、あれは息してないさぁー」


   「いくたん、ご愁傷さまさぁー」



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



渋谷いく死亡確認!!!!


陰キャに無理矢理陽キャな挨拶なんてさせるもんじゃない。

高円寺ラムの手により灰燼と帰した渋谷いく。


はたしてここから復活できるのか。

今から入れる陰キャ保険はあるのか。


いくパイ、雑にラムに弄り散らかされる。この後輩、おっとりとみせかけて、なかなかに人弄りのセンスがあるぞ。それでいて、先輩グループに交ざると、いきなり末娘感を出してきて、人畜無害を装いよるぞ。こんな後輩で大丈夫か――と思われた方は、ぜひぜひ評価・フォロー・応援よろしくお願いします! m(__)m

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