第554話 がんばれ宇宙廃品回収会社 その10

【登場人物】

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

青葉ずんだ  DStars特待生 グループ最恐VTuber

渋谷いく   DStars2期生 陰キャオタ女系VTuber

宮古島たると DStars零期生 事務所の絶対的清楚歌姫


【シチュエーション】

宇宙を巡って廃品を回収するゲームをやることにした四人。

一日目の惨敗の悔しさを胸に、二日目に挑む川崎ばにらカンパニーの面々。



◇ ◇ ◇ ◇



ばにら「というわけで、次も同じ惑星バニな」


   「ぶっちゃけ、このファーストステージがクリアできないと」


   「先に進めないまであるバニよ」


ずんだ「そうだそうだ!」


   「こんな簡単なステージもクリアできないのに!」


   「先に進めると思うなよおめーら!」



   「そうですよね社長(急な媚び)」



ばにら「ずんさん、そういうのいいですから」


   「ちゃんと働いてくださいバニ(スン)」



ずんだ「なんで! 冷たいよばにらちゃん!」


   「ずんだなにがわるいごどしだぁ~!(号泣)」



たると(ずんだちゃん、ばにらちゃんにからかわれてるなぁ)


い く(ありゃ~w さっき、ボイスチャットで)


   (ネタで『ずんだちゃんに冷たくしてみたら?』って提案したけど)


   (まさかこんなことになっちゃうなんて……)



   (あてぃし、し~らない(唐突な陰キャムーブ))



ばにら「さぁ、それじゃ!」


   「今度こそガッポガッポもうけにいくバニよ!」


   「川崎ばにらカンパニー! 出勤!」


たると「待ってばにらちゃん!」


   「このゲーム……ランダムなのは施設の中だけだよね?」



三 人「!?」



―――――――

コメント

―――――――


:お、急にどうしたたるきち?


:なんだかマジな顔になってるじゃん


:なにかに気がついたのか?


:たしかに、探索施設に入るまでのマップは共通


:何回も見てれば、だいたいルートが分かってくるんだよね


:まぁそこまでランダムやられると、難易度が高くなっちゃうからな


―――――――



たると「忘れもしない、今行こうとしたルートは……」


   「さっきばにらちゃんがハチの巣を踏んで死亡した道!」



ばにら「バニ⁉ お、覚えているバニかたるとちゃん⁉」


ずんだ「バカな! ずんだには全然わからんでな⁉」


い く「言われてみればたしかに」


   「ここ、さっきばにらちゃんが死んだ道だ」



たると「ばにらちゃん足下!」


   「はちの巣注意!」



ばにら「ばにぃ⁉ ほっ、本当にあったバニぃ⁉」



―――――――

コメント

―――――――


:すげぇ! 見事に当てやがった!


:たるきち△


:よく覚えてたな? どういう空間把握能力してるんだ?


:いや、普通は何回もやってたら、覚えるはずなんよ


:ばにらはゴリ押し、ずんだもゴリ押しプレイだからな


:DStarsで頭使ってゲームしてるのは、ぽめしゃとりんごくらい


:つまり、たるきちにもゲーマーとしての才能が微レ存?


:いや、ゲーマーというよりもこれは


―――――――



たると「ばにらちゃん! ずんだちゃん! いくちゃん!」


   「ここからは私が先導するさぁ!!!!」


   「大丈夫……どの道を通ればいいかは」


   「全部頭にはいってるさぁ!」



ばにら「嘘バニでしょ⁉」


ずんだ「たるとちゃん⁉ そんなことが⁉」


たると「ここを真っ直ぐ! それで、この丘を越えたら――!」


   「見えた! 探索拠点だよ!」



三 人「ほ、本当にあった!!!!」



―――――――

コメント

―――――――


:たるきち、突然の覚醒にワイ歓喜


:この手のゲームはマッパーがいると強い


:まさかこんな才能を隠し持っていたとは


:いやいや、これは誰も予想できない展開ですよw


:たるきち有能キャラやんけ 誰だお荷物とか言ったヤツ


:すまんやで


:すまん


:かわいくて清楚でゲームもできるなんて


:もはやたるきち最強キャラでは?


:歌姫だけやらせてるのもったいねーってレベルじゃねえぞ!


:社長! たるきちの使い方を、一度考えた方がいいと思います!


―――――――



ばにら「たるとちゃん! すごいバニすごいバニ!」


   「なんで道が分かっちゃうバニか!」


   「本当に覚えちゃったバニか⁉」


たると「ほら、私って島育ちでしょう?」


   「それで家の裏に山とか林があって……」



   「そこで遊んでいるうちに、地形の特徴とかそういうのを」


   「無意識に覚えるようになったのさぁ!」



ばにら「すごいバニ! 野生児バニ! 野生のたるとちゃんバニ!」


たると「……野生のたるとちゃんは、勘弁して欲しいさぁ」


   「けど、褒めてもらえて嬉しいさぁ!(てれてれ)」


ばにら「いやぁ、頼もしいマッパーが社員にいてくれて助かるバニ」


   「こういう特技があるならはやく言って欲しいバニよ」



   「これはボーナスもはずまなくっちゃバニね」



い く「くっそ~! ゲーマーなのに、たるとちゃんに負けたぁ~!」


   「悔しいね、ずんだちゃ……ン⁉」



ずんだ「ずんだは……ずんだはワンコなのに……」


   「ろくに人を案内することもできなくて……」


   「ばにらちゃん……社長にも愛想をつかされて……!」



   「こんなんじゃ、ばにらちゃんのワンコ失格だでなぁッ!!!!」



い く(なんか傷ついてる)


   (けど、怖いから放っておこう……)



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



たるとちゃんの能力発動。

異様なまでの空間把握能力がここで火を噴く。

この能力が、後に彼女の唯一無二の才能として、広く知れ渡ることになるとは……今はまだ、誰も知らないのであった!


元ネタの人よろしく、見事なゲッサー能力を開花させるたるとちゃん。彼女のおかげで、川崎ばにらカンパニーは、今度は道中の被害者ゼロで、探索施設へと到着したのだった。しかし、ここからが本番だ……。このあとの展開が気になる方は――ぜひぜひ、評価・フォロー・応援よろしくお願いいたします!m(__)m

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