第535話 ははのひ ラスト

【登場人物】

八丈島うみ  DStars3期生 センシティブ委員長

渋谷いく   DStars2期生 陰キャオタ女系VTuber

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

青葉ずんだ  DStars特待生 グループ最恐VTuber


【シチュエーション】

 ははのひ(独特のイントネーション)配信。


◇ ◇ ◇ ◇



い く「もうやだ、このゲーム……!」


   「委員長、投げていい?」


う み「なに言ってるのいくちゃん!」


   「この程度のことで逃げ出すなんて」


   「根性が足りないわ!」



   「社会に出たらこの程度のできごと」


   「嫌というほど経験するんですからね!」



い く「家庭内のできごとじゃん!」


   「社会関係ないでしょ!」



う み「さぁ! なんとかヒステリックBBAモードから!」


   「生還することができましたよ!」



   「とはいえ、ヒステリックBBAモードの」


   「継続率は80%となっています……!」



は は『ヴォアアアアアアアアアア!!!!』



い く「ヒステリックBBAモード継続してるじゃん!」



―――――――

コメント

―――――――


:パチンコかな?


:確変かな?


:継続しても微塵も嬉しくないんだがw


:もうダメだよこのゲームw


:けど、ヒステリックBBAの言うとおりだ


:この程度のこと、生きていたらいくらでもある


:毒親から逃げるな!!!!


:人生から逃げるな!!!!


:いや、いくちゃん! ゲームから逃げるな!


:こんなクソゲーに敗北していいのか!


:DStarsのゲーマーの名が泣くぞ!


:特待生のみんなは、この程度のことで投げ出したりしない!


:すずやぽめしゃ、りんごやずんだが泣いてるぞ


―――――――



◇ ◇ ◇ ◇


ずんだ「別に泣いてないが?」


   「やめていいが? こんなバカゲー?」


◇ ◇ ◇ ◇



い く「ハッ……!」


   「そうだ、あてぃしはゲーマー!」


   「こんなクソ……しょぼいゲームに負けたら」


   「いい晒し者だよ!」


う み「ほら、いくたん!」


   「はやく立ち上がるのよ!」


   「ヒステリックBBAモードは視野狭窄状態だから」


   「うまくやれば逃げられるわ!」


い く「……ううん! ここは立ち向かう場面だよ!」


   「逃げてばかりじゃ、勝利はやってこないんだよ!」



う み「いくちゃん⁉」


は は『ヴォヴォア⁉』



い く「うぉおっ! なにがヒステリックBBAモードだぁ!」


   「お母さんなんかに、あてぃしは絶対に負けないからぁ!」


   「これが! あたしの! 反抗期レジスタンスだぁぁあッ!!!!」



―――――――

コメント

―――――――


:なっ⁉ 自分からヒステリックBBAに当たりに行った⁉


:虎穴に入らんずば虎児をえずって奴か⁉


:いや、どう考えてもヤケクソだろ!


:しかし毒親に立ち向かう姿勢は評価したい!


:それでこそいくちゃん! DStarsのゲームの鬼!


:ここで母親――委員長に牙を剥くところ!!!!


:その反骨精神を俺たちは愛しているんだ!


:やれ! いくちゃん! ヒステリックBBAに負けるな!


:お前が、お前こそが、DStarsだ!


:↑ちょっとなに言ってるかわかんないですねw


―――――――



う み「ちょっとちょっとちょっと!」


   「そんな想定にないプレイをしないでくださいよ!」


   「あー、困ります! お客さま困ります!」


い く「……あれ?」


   「なんか普通に、お母さんをすり抜けちゃったんだけど」


う み「……あーね」


   「当たり判定を自前で実装しようとすると」


   「なかなか難しくって……サ☆」



い く「バグゲーじゃねえか!!!!」



―――――――

コメント

―――――――


:バカゲーの上にバグゲーwww


:今年のクソゲーオブザイヤーは決まったなwww


:ちゃんとデバッグしなくちゃダメじゃないですかwww


:最後の最後でこのオチは草なんよwww


:いくちゃんほっぽり出して、どこまでも駆けていくぞ、BBAwww


:渋谷いく、余裕の見物


:娘を見失うくらいヒスってるのは伝わって来た


:やれやれ、委員長 最後の最後で詰めが甘いぜ


―――――――



い く「え、なに? これでクリアってこと?」


   「お母さんが前に行っちゃったってことは」


   「もうエンカウントすることないよね……?」


う み「…………」


   「まぁ、そういうことになりますかね(苦笑い)」


い く「ファァーッwwwww」


   「ザッコwwwwww」 



   「嫉妬に逸って、娘を見失ったあげくwwwww」


   「勝手にどこまでも駆けてくなんてwwwww」


   「みじめすぎるんですけどぉwwwww」



う み「ちょっ! いくちゃん、そんなこと言わなくても!」


   「お母さんだってね! 一生懸命作ったんだよ!」


   「けどね……どうしても直せなくて!」


   「うみの技術力じゃ実装できなくて!」



   「仕方ないじゃない! バグはバグなんだから!(絶叫)」



い く「はーい! それじゃそういうことで!」


   「今回のゲーム配信はここまで!」


   「みんなも、あてぃしが見つけたこのバグ技を使って」


   「ヒステリックBBAをやっつけちゃって……」



う み「あ」


   「なんか一周回って下から出て来た」



い く「うwそwでwしょw」



―――――――

コメント

―――――――


:コントかよwww


:バグの上にさらにバグを重ねるんじゃないよwww


:調子に乗ったいくちゃんに天誅でござるなwww


:いや、調子に乗るだろ、この展開ならw


:なんにしても完璧なオチwww


:いやぁ、これは来年のははのひ配信も楽しみですなw


―――――――



い く「もうやだぁっ!!!!」


   「バグってる母親とか勘弁して欲しいんだけどぉ!!!!」



◇ ◇ ◇ ◇



ばにら「…………」


   「昔のマリオじゃねえんだから(白目)」


ずんだ「ねぇ……(白目)」



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



どっとはらい


急突貫で配信用にゲームを作ったはいいけれど……バグは全部潰しきれなかった。

若い頃にシステム屋やってた人間からすると胃が痛い話でございます。自分の手でまかなえる範囲の仕事をするっていうのは、どんな仕事においても大事ですよね。


というわけで、功を焦ったうみのひとりまけという展開でございました。


さてさて、次回、ちょっと趣を変えた話をやろうと思っております。作中で、何人か出てきた男性VTuberたち。今度は彼らにスポットをあてて見ようかなと。気になる方は――ぜひぜひ評価・フォロー・応援よろしくお願いいたします!m(__)m

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