幼馴染彼女を寝取られたけどぶっちゃけ俺も浮気してたから怒るに怒れない件
けら
彼女がラブホから出てきた件
あぁ、
俺は悪い夢でも見ているんだろうか──
「
「
「次いつ会えますか...?」
「来週の土曜日はどうかな?」
「あ、土曜日...日曜日じゃダメですか?」
「ごめん、日曜日は予定があって。そしたらまた再来週に──」
「あ、いえ!土曜日でも大丈夫です!」
「本当?予定とかあったら無理しなくても...」
「いえ!大した用事じゃないんで!」
「そう?じゃあ土曜日楽しみにしてるね」
「はい、私も楽しみにしてます♪」
今俺は様々なラブホが建ち並ぶ都内のホテル街にて、自分の彼女がイケメンといちゃいちゃしている様を目にしてしまっている。
そして幸か不幸か、俺の立っている場所は死角になっており俺だけが一方的に気付いている現状である。
ちなみに若干距離が離れているため会話までは聞き取れてはいない。
俺の彼女──美玖は幼馴染だ。
小さい頃から不思議と仲が良く、中学2年生の思春期真っ只中に俺から告白して無事承諾を受け、そこから高校2年生の現在まで約3年、特に仲違いすることもなく付き合っていた。
美玖は昔から可愛くて、よく告白されていた。だけどその全てをきちんと断っていたし、告白をされたら毎回俺に報告してくれていた。
ちなみに何故俺と付き合っているにも関わらず告白されているかと言うと、とある事情があって俺達が付き合っていることは公にしていないからだ。
それより何より、
美玖が浮気なんて信じられない。
確かに最近倦怠期気味だったのは否めない。
夜の頻度も減っていた。
でも、それでもあの美玖が浮気なんて...
何かの間違いなのではないか。
だがどれだけ否定したくとも、今俺が見ている光景は間違いなく浮気現場だ。
...否!
たまたまラブホから出てきてたまたま手を繋いでたまたまいちゃいちゃしてるだけで実はここから何か大逆転劇が起きて「ドッキリでしたー♪」的な────
あっ!今キスした!
あいつらキスした!
俺の前でキスした!はい、確定〜!
したんだ!あいつらセックスしたんだ!
ぐう。
高校2年生の春──俺こと、
1人呆然と黄昏ていると、
背後から声を掛けられたので慌てて振り返る。
内心を悟られない様に平静を心がけて──
「お待たせ、優貴」
「...あ、あぁ、大丈夫ですよ。携帯見つかりました?」
「うん、やっぱりベッドの下に転がってたみたい。えへへ、ご迷惑おかけしました」
「よかったです。それじゃ帰りましょうか」
「うん。ね、優貴、すっごくよかったよ♪」
「
「もうっ、恥ずかしいから言わないで!」
自然な流れで腕を絡めてきた美優さんとそんな会話をしつつホテル街を出る──
「それじゃ、また」
「あ、次いつ会えるかな...?」
「...来週の日曜日はどうですか?」
「あ、日曜日...土曜日じゃだめ?」
「すいません、土曜日は予定があって。そしたらまた再来週に──」
「あ、ううん!日曜日でも大丈夫だよ!」
「本当ですか?既に予定とか入っていたら無理しなくても...」
「大した用事じゃないから!全然大丈夫!」
「...じゃあ日曜日にしましょうか」
「うん!楽しみにしてるね!」
「俺も楽しみにしてます」
その後無事にホテル街を抜け、
軽いキスを交わしてから美優さんと別れ帰路に着く。
──はい。
俺氏、本日生まれて初めて浮気してしまいました。
お相手は学校1の美人と名高い1個上の先輩。
入学したばかりの頃からある一件があって仲良くさせてもらっていたのだが、この度多大なるアプローチに負けて体の関係を持ってしまいました。
...だって!だって!美優さんめっちゃ美人なんだもん!おっぱいでかいし!先輩だし!
そんな人のお誘いをこんないたいけな男子高校生が断れる!?無理無理!無理でーす!
いやしかし、人生で初めて浮気してしまった日に彼女を寝取られるってなんなん?
因果応報を地でイキすぎぃ!
いやぁ人生って上手くできてますね!
一周回ってすっごく冷静になっちゃったもん!
そんな感情がジェットコースターになりながらも1人帰宅している俺に一通のメールが届いた。
──美玖からだ。
[ごめん!土曜日外せない予定が入っちゃって、日曜日に変更できないかな?]
[ごめん、日曜日は俺が予定あるんだよね。
そしたら再来週にしようか?]
[そっかぁ、残念。うん、再来週でお願い。ごめんね。]
土曜日は美玖とデートの予定だったが、実にタイミングが悪い。
先程約束したばかりで美優さんに再度リスケさせるのも申し訳ないため、再来週に変更した。
...それに、再来週になったことは丁度良かったかもしれない。
来週の土曜日に美玖にさり気なく探りを入れようと思っていたが、正直まだ気持ちの整理がつく気がしないからだ。
いやぁ、まじでどうしよう。
浮気されたことはめちゃくちゃ悲しい。
怒りの感情もある。
でもなぁ〜!
俺も浮気しちゃったんだよなぁ〜!
バレなきゃいいっしょ!
って思っちゃったんだよなぁ〜!
罪悪感と怒りが50:50なんだよなぁ〜!
ああ、ご先祖様。
俺は一体どうすればいいでしょうか?
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拙作を見つけてお読みいただいた
読者の皆様ありがとうございます。
続きを書くモチベーションになりますので、
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