幸せのほどきかた

@maisakashu

幸せの色

 幸せとは何であろうか。単に、金や地位、名誉や成功が幸せに直結するわけではないことは、戦後日本に限定しても、何度も俎上に載せられていたし、もはや定番の雑談の種だ。もっと大枠で見れば、何千年も前からそれは議論されていて、人類ははるか昔に、それについて確からしい答えは得たはずだ。僕もそれについては、知識としては持っているし、それに全く納得がいかないわけではない。それでも、日々通り過ぎる雑多な灰色の仕事、極彩色のゴシップ、とどめ色のぼんやりとした不安にそれらの理論は圧迫されて、輝きを失った文字列に成り下がるのだった。

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