第10章サイドストーリー 師匠を失った魔女
プロビデンスは魔術師の集団。プロビデンスは、館に住み、自身の魔術について研究している。
他の魔術師は、幸亜を指差して陰口をする。幸亜は、魔女と呼ばれている。
幸亜は陰口を聞いて、大吉に寄る。大吉は気にするなと励ます。
幸亜達は、自分達の部屋へと向かう。
幸亜と大吉は、事情があって同じ部屋に住んでいる。部屋は寝室と、大吉の研究室がある。
幸亜達は研究室で、魔術の特訓をしている。
大吉は、カラスを召喚する。そしてカラスに本を取りに行かせる。
カラスは大吉の手に本を置く。
大吉は自分達の魔術は使い魔だと説明する。使い魔は自分達に代わって、雑務をこなしてくれると。
幸亜も真似して、黒猫を召喚する。そして黒猫に本を取りに行かせる。
しかし黒猫は持ってくる途中で本を放し、寝る。
大吉は焦る事は無いと、幸亜を慰める。
ある朝、幸亜が目覚めると、大吉はいなかった。幸亜は自主練をしながら、大吉を待つ。
夜になっても、大吉は帰ってこない。幸亜は心配している。
すると扉が開き、大吉とは違う魔術師が現れる。魔術師は大吉が死んだことを告げる。
幸亜は驚くが、すぐに怒る。何故大吉は死んだのか。
魔術師は答える。大吉はプロビデンスの規則に反した。その上、幸亜をかくまっているからだと。
幸亜は更に怒りながらも、自分に対する態度について尋ねる。
魔術師は答える。幸亜は改造人間で、純粋な魔術師ではないと。
幸亜は絶望し、部屋を出る。
雨の中を走る幸亜。
幸亜の先に、絢華がいる。絢華は結界を傘替わりにして、幸亜を近くの建物の陰に連れてくる。
絢華は幸亜が走っていた理由を尋ねる。
幸亜は、泣きながら答える。自分は改造人間だったと。
絢華は、自分と一緒だと励ます。そしてキャンバスを展開する。キャンバスには幼い頃の絢華とその家族が、プロビデンスの館にいるところが映し出される。
絢華は、自分の過去について話し出す。
絢華は魔術師の家に生まれた。しかし絢華には魔術師としての才能は無かった。特訓しても開花しなかった。だから絢華はマギアの改造を受けて、魔術師になった。
しかし絢華の母は絢華を魔術師と認めなかった。マギアに改造されているからだ。
絢華の母は真境名家を、他の魔術師に継がせようとしている。
絢華はそれでも真境名家が大切だったが、天孔隊に入ってからは、天孔隊の仲間が大切になった。
幸亜は絢華の現在について聞く。
絢華は天孔隊として活動している。天孔隊として、各地の平和を守っていると。
幸亜は元気が出る。魔術師でも、改造人間でも、居場所があると知って。
絢華は幸亜の助けになる人を知っている。
絢華はキャンバスを閉じ、幸亜を吹流隊本部へと連れてくる。吹流隊本部は、洋館の見た目をしている。
絢華は吹流隊本部の人に会う事を勧め、去る。幸亜は、吹流隊本部に入る。
吹流隊本部には、大和がいる。
幸亜は大和に今までの事情を話す。
大和は共感し、プロビデンスに追い出された話をする。話をする為に、王の剣を具現化する。
幸亜は王の剣を見て、おびえる。
大和は友人に頼まれて王の剣を保管していたら、追い出された。プロビデンスにおいて、魔術師は魔機を持ってはいけないからである。
幸亜は他の都市では魔機は使われている上、「魔術師は魔機を持ってはならない」という決まりはプロビデンスが決めた事を思い出す。そして、恐れを抑える。
大和は、幸亜がこれからどうしたいか聞く。
幸亜の今の望みは、自分が本当に改造されたか知りたい。
大和は悩んだ後、呼薪の栞を取り出す。
呼薪の栞は、1度だけ色々な魔機を使える。大和は千から呼薪の栞をもらった。
大和が「改造されているか確かめる魔機」と唱えると、スパナの魔機が具現化した。
呼薪の栞は、スパナの魔機について書かれた本の1ページに変化する。大和はページを読む。
大和は幸亜に手順を教える。スパナの魔機の先端に腕を通すと、改造された時のエピソードが見られる。
幸亜が腕を通すと、映像が映し出される。
幸亜は家族で出かけている中、両親が目を離した隙にマギアにさらわれた。そして他の子供達と一緒に、改造させられた。
映像はここで終わる。
幸亜が改造されたことは本当だった。しかし幸亜が師匠の元にいた理由は分からない。その理由を調べるため、プロビデンスの館へと向かった。
幸亜達の部屋に来て、幸亜は大吉の本棚を探す。ほとんどは魔導書だが、1冊だけ記録が書かれている本があった。そこには幸亜の秘密が書かれていた。
大吉はある子供の行方を追っていた。そこで、マギアが子供をさらい、改造している事を知った。改造された子供は、マギアの兵士にされる。それを聞いた大吉は子供達が兵士にされる前に助けた。
大吉は助けた子供達を孤児院へ引き渡した。孤児院は、子供達を元の親に戻す事を約束した。しかし幸亜は大吉に懐いていた為、大吉が面倒を見る事になった。その時に大吉は幸亜の記憶を消し、改めて凶猫幸亜と名付けた。後に大吉は幸亜が親から虐待を受けていた事を知る。
幸亜は涙をこぼし、プロビデンスと戦う事を決意する。
幸亜はプロビデンスを抜けて、吹流隊本部へやって来た。そして大和にプロビデンスと戦う旨を伝える。
大和は、幸亜にホウキの魔機を渡す。ホウキの魔機は、ホウキをモチーフにしたメイスである。
大和は魔術師よりも魔機の方が戦闘に適していると補足する。
幸亜は受け取り、吹流隊の1人になった。
すると、吹流隊本部の扉を開けて、魔術師が入ってくる。魔術師はプロビデンスの服装ではなく、いたるところに目の描かれたローブを着ている。長い髪は、宝石の付いたヘアゴムでまとめられている。
魔術師はアイズの1人、髪の魔術師。アイズとは世界を支配しようとする、魔術師の組織。
髪の魔術師は魔機使いとなった大和と幸亜を、排除しようとする。
髪の魔術師はキャンバスを展開する。キャンバスは石造りのスタジアム。観客が、大和達を見ている。
髪の魔術師は、地面から髪を何本も生やす。髪は大和達を狙う。大和は髪を切る。幸亜がホウキの魔機で掃くと、髪は絡まる。
髪の魔術師は、新たな髪を生やす。沢山の髪に大和達は翻弄され、地べたをはいつくばる。
幸亜は師匠と魔術の事を思い出して、立ち上がる。魔女と呼ばれても、幸亜は戦う。
幸亜は、ホウキの魔機で空を飛ぶ。そして黒猫を召喚する。黒猫は飛び降り、髪をよけていく。黒猫は髪の魔術師を引っかく。
幸亜はホウキの魔機を持ち、落下しながら髪の魔術師を叩く。すると、キャンバスが解ける。
髪の魔術師は明かす。アイズはプロビデンスを管理している。アイズだけでなくプロビデンスも全力を挙げて、吹流隊を倒すと。
髪の魔術師は去る。
大和と幸亜は、プロビデンス、そしてアイズと戦う決意をした。
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