第8章サイドストーリー2 レプリカのショータイム

 千は競闘市の、競闘隊本部にいる。

本部には、競闘隊が揃っている。その中には、千が大会で戦った、ヤマタノオロチの魔機使いと電車の魔機使いもいる。それぞれ名前を八岐愚智やっきおろち車電島風しゃでんしまかぜと言う。

覚史は説明する。

競闘市は、スポーツが盛んだ。魔機使い同士が勝負する魔戦も、その1つ。競闘隊は、普段はプロスポーツ選手として活動している。

例えば愚智は酒造会社と、島風は鉄道会社とスポンサー契約を結んでいる。

そして定期的に大会が行われる。大会には、この前千と琳が参加したようにバトルロイヤル形式のものもある。

しかし今回の大会の内容は、プロの魔戦選手同士が戦い、1位を目指すというもの。

千は疑問を口にする。流れ星は解散したのではないかと。

覚史は答える。流れ星は解散したが、スポーツ事業は続けているという。

覚史達は、大会の準備をする。


大会が始まる。初戦は、愚智と島風。

千達は、控え室で見守っている。

2人は位置につき、見合う。

すると警備員を押しのけ、1人の男性が入ってくる。それに続き、暗魔達が入ってくる。

覚史はつぶやく。あの暗魔達は、かつて競闘市を襲った、歴史の暗魔群。

千達は急いでフィールドに出る。


覚史は叫ぶ。歴史の暗魔群は倒したはずだと。

男性は、この暗魔群はレプリカだと明かす。

そして男性はレックスと名乗る。

レックスは出土品の暗魔群と競闘隊を戦わせる。そして勝った方が、競闘市の王の剣を手に入れると。

覚史は認めないが、観客は歓声を上げる。仕方なく、覚史達はレックスの要望を受け入れる。


レックスは、ハニワの暗魔らを千達に向かわせる。

千達は、ハニワの暗魔らと戦い、倒す。


 千はファンの人に声を掛けられる。千は応対する。

無事に思っている千に、覚史は明かす。千は愚智達に、琳は覚史に勝利した。なのでファンの間では千と琳が話題になっている。

琳は天孔隊に入っているが、千はどこにも入っていないからと、覚史は千を競闘隊に誘う。しかし千は旅をしたいからと、断る。

覚史はファンの事で思い出した事があるという。その内容は、レックスにもファンがいる事。レックスのファンが迷惑行為をしないか、心配しているという。


メインルームに戻ると、愚智が缶ビールを飲んでいる。

千は驚く。愚智は、魔機使いは酒に酔わないようになっている。しかし愚智はその機能をカットし、酔いを楽しんでいるという。

メインルームには、島風もいた。表と凛もいる。

島風は電車の写真を眺めている。千が聞くと、島風が撮った写真だと。島風は、電車の写真を撮るのが好きだという。


千達の次の相手は、ろうそくの魔機使い。ろうそくの魔機使いは、メイドの格好をしている。

千達は何故魔機使いが暗魔の味方をするか問うが、ろうそくの魔機使いはレックスに仕えている。そして、正体はろうそくの暗魔だと。

ろうそくの魔機は、ろうそくをモチーフとした細剣。

ろうそくの魔機使いはハニワの暗魔らを召喚する。千達は、ろうそくの魔機使いらと戦う。

ろうそくの魔機は剣先に火が灯っている。その魔機で千達の魔機に触れ、千達の魔機にも火を灯す。火が灯った魔機は、ろうそくの魔機使いには効かない。

千は風の魔機で、火を吹き消す。そして千達はろうそくの魔機使いらを倒す。


 千は覚史に、覚史はどうして競闘隊になったのか聞く。

覚史は答える。競闘隊は、年間の大会の成績から選ばれている。成績1位の人が、王の剣の持ち主と競闘隊隊長になる。つまり、今は覚史が1位なのだ。

そこから表、島風、愚智、凛と続くという。

覚史達は競闘隊に賛同した。だから流れ星の裏の顔は知らなかったという。最も、覚史は後で知ったが。


千達が暗魔と戦っていると、男性が乱入する。

男性は嫉妬していると。競闘隊は戦う事によってお金を稼いでいる。しかも、魔機は持ち主に戦い方を教えるから、戦えない魔機使いはいない。つまり、自分達でもなれる。

そして競闘市に暗魔が攻めてきた時も、ショーにしていたと。

そんな男性に、レックスは魔機を渡す。魔機は、柳の魔機。柳の魔機は、柳をモチーフとした鎌。

覚史は言う。流れ星の大会では勝者こそが正義。そして、勝者が競闘隊になれる。競闘隊になりたいのなら、戦って勝ち取れと。

千達は、柳の魔機使いと戦う。


柳の魔機使いは魔機を天に向ける。すると天から柳が生え、地面に刺さる。千達はよける。

千達は、柳の魔機使いに勝つ。すると柳の魔機使いは、柳の暗魔になる。

千は驚く。柳の魔機は、Tカスタムの魔機だったのだ。

魔機使いの時よりも強く、千達を追い詰める柳の暗魔。千は火を扱う鶏の魔機を使い、柳の暗魔を倒す。

そして、覚史は柳の魔機の石を破壊する。

覚史は言う。確かに、魔機使いは誰でもなれる。しかし勝ち続けるのは、誰にでもはできないと。

Tカスタムの魔機を使った事で、柳の魔機使いは逮捕された。


 歴史の暗魔群を次々と倒した千達。残されたのは、レックスだけ。

しかしレックスは、まだ1匹残っていると明かす。そしてレックスは、ティラノサウルスの暗魔となる。

レックスは人間の姿に戻る。

レックスは、ティラノサウルスの魔機を具現化する。ティラノサウルスの魔機は、ティラノサウルスをモチーフとした靴だ。

覚史も魔機を具現化する。

レックスは、昔は良かったと明かす。レックスの元となった人間は、覚史の兄だ。昔は兄もいて、兄弟仲が良かった。子供の頃は難しい事を考えず、ただ楽しい事だけをやってれば良かったと。

覚史は否定する。今には今の良さがある。過去に囚われていては、前に進めないと。

レックスは飛び上がり、蹴る。覚史はかわす。レックスが着地した所は、地面がえぐれる。

覚史は危機を感じたのか冠の力を使い、恐竜の化石の鎧を身にまとう。

覚史とレックスは何度もぶつかり合う。遂に、覚史はレックスを倒す。

会場から、大歓声が沸き起こる。


 歴史の暗魔群のレプリカは全て倒したはず。本当に残っていないか、覚史達は競闘市をパトロールするという。

千は大会について聞く。覚史はスケジュールを調整しながら、大会もやるつもりだという。楽しんでいる人々を、落胆させない為に。

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