第2章サイドストーリー 生き返った人々

 千は、再び草狩市へとやって来た。

 

 かつて草狩市は暗魔によって壊滅した。しかし暗魔の主を倒した事により草狩市の暗魔は撤退した。今の草狩市では、復興が進められている。

 

 千は草狩隊本部を訪れる。

 

 本部には、舞結がいた。舞結は本部で過ごした日々を懐かしんでいる。


 

 草狩隊本部を、1人の男性が訪ねる。男性の名は象潟智弘きさかたともひろ

 

 智弘は元草狩隊隊長である。自分が死ぬ間際に、駆に隊長を託した。つまり、死人である。


 智弘は、何故だか分からないが生き返ったと話す。

 

 智弘は駆に会いに来た。舞結によると、駆は今別の都市に出かけている。

 

 智弘は他の草狩隊の隊員はどうしたのか問う。舞結は、他の隊員は全員死んだ。草狩隊は自分と駆だけになってしまったと。智弘は涙する。

 

 舞結は千と駆と共に、草狩市の暗魔を撃退した事を話す。智弘は千に感謝する。

 

 突然、住民が駆けこんでくる。街に暗魔が現れたと。


 千達が駆け付けると、キュウリの暗魔がいた。キュウリの暗魔は、キュウリでできた馬の姿をしている。

 

 千達は魔機を具現化する。智弘の魔機は象をモチーフとしたハンマー。

 

 千達はキュウリの暗魔と戦い、倒す。


 

 千はキュウリの暗魔が気になる。キュウリの暗魔は、草狩市に現れたハンターの暗魔群とは関係がない。なのに何故草狩市に現れたのか。

 

 舞結は神社が暗魔によってどうなったのか、そして新たな暗魔を防げなかったのかが気になる。

 

 街を智弘に任せ、千達は神社へと向かう。


 

 神社へと向かう途中、舞結は自分の過去を話す。

 

 舞結は集落の人間。集落では集落内で自給自足をしていた。そんな生活を、舞結は誇りに思っていた。色んな人に自然と共に生きる集落の生き方を知ってほしい。そう思って、舞結は集落を出る事にした。

 

 しかし集落の人間が外に出るには、巫女か男性の巫女のげきになるしかない。だから、舞結は巫女になった。

 

 王の剣が奉納されていた神社に、舞結は勤めていた。その神社が壊滅し、舞結は街へと逃げてきた。


 

 千達は神社に着く。この神社は、千と駆が王の剣を手に入れる為に訪れた神社だ。

 

 前はいなかった巫女や覡がいる。

 

 舞結は男性に話しかけられる。男性の名は神使阿吽しんしあうん。阿吽は覡。

 

 阿吽は舞結を見ると、舞結を逃げた者と批判する。舞結が逃げなければ、暗魔に勝てたかもしれないと。

 

 そして魔機を具現化し、舞結に怒りをぶつける。阿吽の魔機は、狛犬をモチーフとした双銃だ。

 

 千は魔機使い同士が戦っても意味がない。戦うべきは暗魔だと諫める。阿吽は、攻撃をやめる。


 

 千は阿吽に何故魔機を持っているか聞く。阿吽も草狩隊の1人なのか。

 

 阿吽は説明する。草狩市の巫女や覡は、古くから魔機を使い草狩市に現れる暗魔と戦っていた。そして草狩市を守っていた。

 

 舞結は補足する。草狩隊は、草狩市が壊滅した後に作られたと。

 

 阿吽は説明を続ける。昔は、巫女や覡が死ぬ事は少なかった。しかし今回は状況が違った。草狩市に大量の暗魔が現れた。巫女達は暗魔を倒せなかった為、多くの巫女達が倒された。

 

 舞結は勝てないと悟り、役割を放棄して逃げた。

 

 その後暗魔は街へと現れた。森で発生した暗魔は、草狩市をあっという間に占拠したのだ。

 

 阿吽は自分も暗魔によって倒された。しかし何故だか分からないが生き返った。他の巫女や覡も生き返った。

 

 死んだ人が生き返るなら、あの人も生き返っているかもしれない。舞結はそう考える。

 

 舞結は集落に寄ることを提案する。

 

 阿吽は頼む。集落に行くなら、家族に生きている事を伝えてほしいと。阿吽も、集落出身なのだ。

 

 人々に根付く、暗魔への恐怖心。暗魔は穢れた存在とされているが、暗魔と戦う巫女達もまた、穢れた存在とされている。


 そして街の人々は、集落の人々を見下している。だから巫女や覡は集落出身の者が多いのだ。そう阿吽は説明する。

 

 千達は、集落へと向かう。


 

 集落へと向かう途中、未来の駆を見かける。千は舞結に、未来の駆を紹介する。

 

 未来の駆はこの世界を見に来た。集落を見終わり、次は神社を見るところだと。

 

 この世界で未来の駆は、駆に王の剣を託した。駆が王の剣を手にした世界は、どれも駆が暗魔となり、滅びた。しかしこの世界は滅びなかった。

 

 未来の駆はこれから向かう他の世界も、駆が剣を手にしても滅びないかもしれないと希望を持った。そしてもしかしたら、千のおかげかもしれないと。

 

 神社で舞結達が信仰していたのは自然。だから、舞結は神託が聞こえる事に違和感があった。神託が聞こえた時期も、草狩市が滅んだ後だった。

 

 舞結は問う。自分に神託を与えていたのは、未来の駆かと。未来の駆はうなずく。

 

 未来の駆は駆と舞結を救う為、そして舞結が王の剣を手にする為舞結に神託を与えていたという。

 

 未来の駆は千達と別れ、神社の方向へ歩いて行った。


 

 千達は、集落へ着く。

 

 集落は、暗魔によって滅ぼされた。今は集落の人も生き返っている。その中には、ロウの姿があった。


 魔機を構える千。しかし、舞結は自分の兄、小鳩太狼こばとたろうだという。その言葉通り、太狼は舞結に優しく接する。

 

 喜ぶ舞結。

 

 舞結は太狼と別れてから、今まであったことを話す。


 

 太狼との幸せな時間を過ごす舞結。

 

 千達は、太狼の狩りに同行している。

 

 太狼は、共に行動しないかと舞結を誘う。暗魔に味方し、暗魔と共にこの世界を滅ぼす。

 

 舞結は断る。例え兄の頼みであっても、この世界は滅ぼさない。自分は美しい自然を、世界を守ると。

 

 太狼は正体を明かす。太狼ではなく、ロウだったのだ。今までの会話はロウが太狼の記憶から推測したものである。

 

 ロウは上級暗魔だったため、人間と同じように復活できた。上級暗魔は人型になれ、話せる暗魔。

 

 千は舞結にロウについて話す。

 

 舞結は集落が滅んだ時兄も暗魔になった事、ロウは人間を襲っていた事を知る。

 

 前にロウが持っていた狼の魔機は、駆によって草狩隊本部に保管されている。なのでロウは狼の魔機を使えない。


 ロウは狼の暗魔の姿となる。そして、舞結を暗魔にする為襲い掛かる。

 

 千達は、狼の暗魔と戦う。

 

 狼の暗魔は猫の暗魔らを召喚する。そして集団で襲いかかる。


 千達は、何とか猫の暗魔らを倒す。


 狼の暗魔はフェンリルの暗魔へと進化する。フェンリルの暗魔は狼の暗魔よりも巨大だ。


 フェンリルの暗魔はキャンバスを展開する。キャンバスはラグナロク。


 フェンリルの暗魔は死者の暗魔らを召喚する。そして自分の身もろとも全てを焼き尽くそうとする。


 千は死者の暗魔らを蹴散らす。そして村雨の魔機を使い、消火していく。


 舞結は火傷しつつも、フェンリルの暗魔を止めようとする。


 舞結は全力でとどめを刺すが、フェンリルの暗魔の火によって魔機の石が破壊される。


 千達はフェンリルの暗魔を倒した。キャンバスも解ける。



 誰が智弘やロウを生き返らせたのか。そして、その目的は。


 千と舞結は、黒幕を捜す。

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