第12章 天臨市/支配された都市

 千は天臨市てんりんしへとやって来た。


 ここにあるはずの王の剣で最後。全ての王の剣が、正しい持ち主の元に渡ることになる。


 千は、天臨市は暗魔に支配された都市と聞いている。実際に、町では暗魔がうろついている。千が魔機を取り出すと、警官から注意を受ける。この都市では暗魔を倒す事は禁止されていると。


 天臨隊はどうしているのか。千は、天臨隊本部へと向かう。



 


 天臨隊本部に向かう途中、広場が気になって寄る。広場に人だかりができているためである。


 広場の中心では、怪獣の着ぐるみが客に向けてパフォーマンスしている。パフォーマンスが終わるまで、千は待つ。



 

 パフォーマンスが終わり、千は着ぐるみに話しかける。着ぐるみは火を吹き、巨大化した。千は着ぐるみは魔機ではないかと予想したからである。


 着ぐるみの中身の人は、怪獣牙白かいじゅうがしらという。牙白の魔機は、怪獣をモチーフとした鎧だ。見た目は着ぐるみである。


 牙白は天臨隊の隊員である。


 天臨市は、魔機使いによって暗魔を倒す活動が禁止されている。そのため牙白は、こうして魔機を人を楽しませる為に使っていると。


 千は王の剣について聞く。


 牙白によると、天臨市にも王の剣がある。天臨市は暗魔に支配されているが、暗魔はまだ王の剣を手に入れてない。王の剣は力を失っている。そのため、人間も暗魔も使えていない。そして王の剣は塔にあるという。


 千は王の剣は正しい持ち主が握れば力を取り戻すと考え、塔を目指す。牙白によれば、塔へ向かうには、列車が一番早い。千は牙白と共に、列車に乗ることにした。



 

 ミノタウロスの暗魔に人が連れていかれる。牙白によれば、あの人達は労働力としてこき使われるという。


 千はミノタウロスの暗魔を攻撃し、人を助け出す。しかし、牙白は攻撃をためらう。


 千はこの都市を、暗魔の手から取り戻すという。その為に牙白にも協力を頼む。牙白は、渋々承諾する。


 千がミノタウロスの暗魔を攻撃したことにより、街にいた暗魔らが千達を追う。千達は駅の方向へ逃げる。



 

 追ってくる暗魔を倒し、千達は列車に乗り込む。

 千達は、列車の中を見渡す。列車の中の人は、みな落ち込んでいる。


 その中で千達は、男性に話しかけられる。男性は朝丘望あさおかのぞみという。望の魔機は、黄昏の魔機。黄昏の魔機は、黄昏をモチーフとした短剣だ。


 望は天孔隊隊長。千の事は、琳から話を聞いているという。

 望も王の剣の力を取り戻すのに協力するという。


 王の剣の力を取り戻す方法を知っている人がいないか、望は聞き込みを提案する。

 千達は、聞き込みを行う。



 

 聞き込みをしていると、望に似た人がいる。その人は、自分は朝丘望だという。望が2人になってしまった。


 もう1人の望は、暁の魔機を持っている。暁の魔機は、暁をモチーフとした短剣だ。


 すると、黄昏の魔機を持つ方が正体を明かす。正体は黄昏聖たそがれひじりという。黄昏の魔機は他の人に変身する事ができる。


 聖は、コピー機の人工暗魔によって生み出されたクローン。クローン元を倒す為、クローン元を追っている。落ち込んでいる人は、聖の力によるもの。


 聖は望に襲いかかる。望は受け止める。

 クローンは暗魔な為、千は聖を倒そうとする。しかし返り討ちにあい、本の魔機の石が破壊される。千は魔機を使えなくなった。


 望は暁の魔機を本の魔機の上にかざす。すると、本の魔機の石は直る。望は、魔機の石を直す事ができるという。


 聖はネジの暗魔らを召喚する。

 千、牙白、望は、聖とネジの暗魔らと戦う。


 聖は望と互角。光の魔波で攻撃する。

 千達が協力して、聖を倒す。

 聖を倒すと、落ち込んでいた人は元気を取り戻した。


 聖が落とした黄昏の魔機は、望が拾う。望によれば、いつもなら天臨隊が回収するところだが、今回はこの魔機が必要になると。



 

 列車は塔へと到着する。牙白によれば、この塔の上に王の剣があるという。


 塔の入り口には警備員がいる。千達は黄昏の魔機で、警備員に変装する。そして、塔の内部へと入る。


 塔の内部は、屋上まで螺旋階段が続いている。そして、オルトロスの暗魔が待ち構えている。


 オルトロスの暗魔は階段を上り、逃げていく。千は銃型の魔機で撃つ。望は魔波を飛ばす。しかしオルトロスの暗魔はかわす。


 オルトロスの暗魔は、岩を落としてくる。千はハンマー型の魔機で岩を破壊する。そして千達はオルトロスの暗魔を追う。


 ある程度まで上ると、オルトロスの暗魔は叫ぶ。すると、階段が下から崩れていく。千達は走って、何とか登りきる。


 塔の屋上には王の剣が刺さっている。その王の剣を、ケルベロスの暗魔が守っている。


 ケルベロスの暗魔は、毒を吐いてくる。千はかわし、1つの頭を倒す。しかし、ケルベロスの暗魔は倒れない。それどころか、頭は再生した。


 千達は、3つの頭を同時に攻撃しなければ倒せない事を知る。


 千達3人は、同時にそれぞれの頭を攻撃する。千達はケルベロスの暗魔を倒した。



 

 千達は、王の剣に近付く。

 望によれば、この塔は真昼の塔と呼ばれている。そして暁の魔機と、黄昏の魔機。3つの力で、王の剣は力を取り戻すと。


 望は暁の魔機と黄昏の魔機を王の剣の前にかざす。すると2つの魔機から光が出て、王の剣を照らす。そして王の剣は力を取り戻す。


 王の剣は天臨隊に相応しい。そう千に言われ、牙白は王の剣を握る。



 

 全ての王の剣が力を取り戻した事により、キマイラの暗魔が現れる。牙白によれば、キマイラの暗魔は最強の暗魔。全ての暗魔を統べる暗魔と言い伝えられていると。

 千達は、キマイラの暗魔の元へ向かう。

 

 千達は、キマイラの暗魔と戦う。


 キマイラの暗魔は小さな蛇を飛ばす。蛇は千達に絡み付こうとする。

 千達は蛇を切り落とす。


 千は貝の魔機で貝を召喚し、蛇から3人を守ろうとする。しかしキマイラの暗魔が足を振り下ろし、貝を破壊する。


 キマイラの暗魔と戦う中、牙白の王の剣の石が破壊されてしまう。石を直すため、千達は一旦撤退しようとする。

 

 望が強い光を放ち、キマイラの暗魔の目をくらませる。その隙に、千達は撤退する。


 


 望は牙白の王の剣の石を直す。その間、千はキマイラの暗魔を観察する。


 キマイラの暗魔はメデューサの暗魔を食べる。そして目から光線を放ち、当たった場所を石化させる。


 キマイラの暗魔は、食べた暗魔の能力を使う事ができるのだ。


 王の剣の石が直る。しかし、同じように戦ってもキマイラの暗魔には勝てない。千は、冠が必要だという。

 

 千は琳に連絡する。冠はどうやって使うのかと。琳は、競闘市の戦いで冠を使った。


 冠の力を使うには、強い望みを持つ事だという。

 牙白の望みは、暗魔と和解する事。牙白は暗魔さえも倒したくないのだ。


 牙白は過去を語る。

 牙白は別の都市の、戦時下で育った。それは魔機使い同士の戦争だった。魔機によって、何人もの命が奪われていくのを見た。


 力は誰かの命を奪う。そう牙白は思った。

 暗魔も1つの生き物。そんな暗魔の命を奪う事を、牙白は恐れている。


 千は、ならば王の剣で、その望みを現実化させればいいと。

 牙白は望む。そして、牙白は冠の力を使う。


 他の天臨隊隊員も合流する。望が事前に天臨隊に連絡したのだ。

 千から状況を聞き、追一郎も駆け付ける。


 千達は、キマイラの暗魔へと向かう。



 

 再びキマイラの暗魔と戦う。


 キマイラの暗魔は目から石化させる光線を放つ。小さな蛇を飛ばす。そして足を振り落とす。


 石化しても、牙白は冠の力で直す。牙白は常に全員のエネルギーを満タンの状態にする。それにより、千達は魔波や能力を自在に使える。


 千はキャンバスを使う。千のキャンバスは、沢山の本棚。本棚の本からは魔機と魔機使いのコピーが出てきて、キマイラの暗魔を攻撃する。


 千達はキマイラの暗魔を倒す。


 キマイラの暗魔を倒した事により、天臨市中の暗魔が逃げていく。そして、世界中から暗魔が逃げていくだろう。


 更に、全ての王の剣が正しい持ち主の手に渡った。これで王の剣を使った事件も起きない。

 世界は、平和になったのだ。




 牙白は、暗魔と共存していく世界を目指すという。千は実現出来るか分からないが、応援するという。


 王の剣は空間を切り開き、天孔市へと繋げる。

 千は牙白と別れ、天孔市へと入っていった。

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