青い記憶
ーーー、一目惚れ。ただそれだけ。
なにが、とか。情緒が触れたとか。そんな理由みたいなものはなくて、ただ一目見た時にこの人だと感じた。
触れたいとも思わず、気持ちを伝えたいとも思わないなんとも不思議な恋。
感性が触れた時が一番愛を感じて、そして、伝えずとも分かり合えている気がした。
どこか息の合うこの人に何処と無く安心を抱いていた。
「きっと同じ気持ちなんでしょうね。」
ふと笑いかけられた。夕方に象られてあまりにも綺麗で。初めて触れたいと感じた瞬間だった。
ーーーが、咄嗟にその気持ちに蓋をした。
「同じであったら嬉しい。」
それで気持ちが通じ合うと言うのだから、あまりにも幼すぎて。
「情緒とか感性が似ているのだとしたら、これが最大に伝えられる気持ちかなと。」
「はい。」
「月が零れる感覚で合ってる?」
間違いなく。と、屈託ない笑顔で言うものだから。
月で愛を伝えるのも粋な計らいだと、そう思えた。
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