ミニバス(コート外の勝利者)
小学生にミニバスを教えてずいぶん経つ、気づけば40歳。
卒業生たちと、色々思うところを肴にして、酒を飲んで語ってみた。
俺の愚痴
できるやつに限って、習い事だなんだのと練習が少なく、チームの中のお山の大将で、頭一つとびぬけただけで成長が止まってしまう。チームで一番からさらに一段上の成長をさせてあげられない。もどかしい。
思い当たるAは
先生ごめんな、俺天才やから、勉強もなんでも全部1番になりたかってん。
まわりの卒業生
その上モテ男の完璧人間あったからな、でも結婚すんの早すぎん?
俺の愚痴
いつも通りの力を発揮すれば勝てたはずと思うことは多い。だが、いつも通りを引き出す手段がいまだ発見できない。というか、2分で絶好調から絶不調まで変化する上にそれが5人の組み合わせで化学変化を起こすのである。もはや予測不能だが、しかしである。
思い当たるBは
かっこよ、熱血やね。5分で10点取って、次の5分で点とらんと反則で退場したのは僕だけやで。
コーチの俺は
おまえは、ほんま訳わからんかった。バナナを皮ごと食べて腹壊して病院一緒にいったのもお前だけやで。160cmちょっとの身長でダンクしたり。今になれば、今になればやけど、楽しかったで。
俺の愚痴
周りのコーチは勝利至上主義はなんだの、子供だから、成長を促ことが大切、等々言ってる。だが、俺からしたら、言い訳するなである。俺は、子供に勝利を経験をさせたい。少なくとも勝つために全力を尽くすことで掴む何かを教えることが使命だと思っている。
今もバスケを続けるCは
えー、でも先生とするバスケ楽しかったから。今も会えてんじゃん。今もバスケやってんじゃん。今まで通り勝てばいいじゃん。
コーチの俺は
ジャンジャン東京かぶれやな、おまえのケガに早く気づけたのは、俺の一番誇れる成果やからな。
最高やな。財布は空になったけどな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます