第十一幕 決闘の最中
男が突き出す槍の切っ先は剣の間合いを
しかし、間合いが広いという事は
その為、受け手が突きを
ハモンの前進は
迫る槍の
そのハモンを追って男が突きの狙いを変える。一度体を逸らしてから更に体を逸らせる程の間を与えない素早くも的確な肉体操作だった。
帝都
そんな風に思いながらハモンはベルトから
男が笑みを浮かべるのが見えた。恐らくハモンの居合いは間に合わないと確信しての事だろう。
仮に槍を
その穂先へ、
「なっ!?」
驚く男にハモンは納得する。
普通の刀ならガムリの牙で迎撃ごと喰い破れると考えるのは間違っていない。
ただ
言ってしまえば鍔や柄、刀身まで含めて一個の岩石の様な性質を持っている。
驚く事に納得は出来るが、驚いて
正面、少し下から攻撃の勢いが乗る前の
その隙に前進して剣の
「ごふっ」
息を吐き出した男が前屈みで脇腹を
有効、
適当に相手の体力を
苦しみ方を見る限り有効が五つも重なれば戦闘不能として
「参った!」
「……は?」
いきなりの宣言、片手は完全に戦意喪失と頭上に上げられている。
ハモンの油断を誘う為かという疑惑は有る。
首に切っ先を突き付け距離を取る様、
後腰にベルトでも有るのか三昆節操と穂先を仕舞い完全に無手に成った男が下がって行く。
「覚えてろっ!」
お約束な捨て
ハモンが
ハモンが彼女の頭に手を乗せて軽く
ハモンのイチヨが
旅を共にしてから思っていたが
イチヨが裏に入って直ぐ、
「あらぁ、ユウゲンはん、来てくれはったんです?」
スイレンが黄色い声を上げる。
ハモンも振り返れば
「ぶ、無事であったか」
「あの
「スピアの事だな。少し前から帝都を騒がす
言われて思い出せば
ハモンに状況を聞きたいというユウゲンに、
ハモンにはユウゲンの視線を受け止めるという意識は無い。興味の無い相手の話は苦痛、その程度の認識だ。
「スピアは強かっただろうか?」
「……弱くは無いだろうが、特別に強いとは思わん」
特別に隠す必要を感じない為にハモンは素直に答えた。
仮に
「その、何だ、言いにくいのだが」
「
「いや、もっと悪いと言うか」
「は?」
「実は、ゲンの言う協力者の一人なのだ」
「……協力は考え直して良いだろうか?」
「待ってくれ、あれだけの騒ぎ者、基本は
異常な状況ならば同行させるのかと
ゲンもスピアの事は
「今日はもう良いだろうか?」
「ああ。仕事中に邪魔をした。
「外せぬ先約が有る」
「おっと、
「そうだ」
「……
「旅の連れが、妹が居ると
「先約はその連れだ」
「……妹では無かったのか?」
「
仕事始めにして話し過ぎた為に
やはりイチヨと二人だけの方が静かで心身も休まると思いハモンは
話は終わりかと問えばユウゲンも早々に店を出て行った。
やっと
ユウゲンが来た事情は仕事終わりに話す。
その為にも今日はもう誰も問題を起こすなと自然と目付きが
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