交流
無礼講
大晦日、碧波と白翔は近くのお寺に行って除夜の鐘を聞こうと向かう。
函館にいる時は家でテレビを付けて年越しを過ごしていたが初めて埼玉に来たこともあり、違うことをしてみたかった。
何かのイベントがあるのかと勘違いしてしまうほど行列が出来ていて驚いた。鐘を鳴らし終わって運試しに
年を越して家に帰ると多くのあけましておめでとうございますラインが届く。
みんな眠いだろうからとスタンプを返して碧波も眠りにつこうとすると電話がかかってくる。相手は晴香からだった。
「あけましておめでとうございます。今年も昨年同様、仲良くしてもらえるようにしますね。またお時間があれば食事に行きたましょう」
電話を切ってそのまま眠りについた。
朝起きて新春特番を見ながら懇親会のことを考えていた。ゲストを呼んでビンゴの景品を考えていた。
お店を予約しようとするが所沢駅周辺のお店はどこも埋まっていた。ネットで日時指定で検索すると食べ飲み放題のお店を見つけて貸切にする。
要望があるか尋ねられ、たこ焼きの具材を変更、ひとつだけ入れて欲しいと伝える。
晴香にラインでゲストとして懇親会に来て欲しいと連絡すると快く引き受けてくれてサイングッズを持ってきて欲しいと送る。
ビンゴ大会こ使う番号を作って当選者なしの場合、ドレミファゲームで決めようと着々決めていく。
碧波も何かプレゼントを考えるべくディスカウントストアに行って中々手に出しにくいコスメや手提げカバンの他にゲーム本体と人気ソフトを買う。それ以外にも色紙やクレーンゲームで取ったものにサインしようと考える。
同日、碧波が居酒屋に行くと全員集まっていてお店に入る。高橋さんから大きな手提げ袋は何かと聞かれ、景品付きのビンゴ大会をしようと思っていてねと笑顔でお店に入る。
席に座って晴香ちゃんを初め、それぞれ挨拶をして今日の懇親会を開く理由、マンガ家とアシスタントの垣根を越えてフランクにやりましょうと言うと拍手で会が始まる。
未成年はジュース、成人を迎えている人達はお酒を注文してそれぞれ好きなものを注文する。
学生時代はどんな風に過ごしてきたか、年末年始に何をしていたかと碧波が話を振ってそれにみんな答えていく形になっている。
頃合いを見て盛り上がってきたタイミングでビンゴ大会の紙を貼ってカードを配る。
番号を読み上げて開けていくが誰もビンゴにならない。次にドレミファゲームを行う。それでも全員に景品が渡らずどうするか考えていた。
森さんがたまたま持っていたトランプでババ抜きで決めるようにした。参加賞ではなくてゲームで勝って景品を取って欲しいと色々考えていた。
残りは晴香ちゃん、鈴木さん、小島さんが残っていてババ抜きを行う。
揃ったら景品を選ぶスタイルで全員が行き渡るまでずっとやっていた。それもあってか深夜1時を回っていて碧波は会計を済ませて会を締めた。
雑魚寝でよければ泊めてあげれるよと伝えると男性陣はマンガ喫茶、女性陣はビジネスホテルに泊まると言って見送った。楽しむことも大事だがもう少し時間に配慮すればよかったと後悔していた。
他の方々と
年が明けて1週間が経ち、懇親会以外何かしていたわけではないが家に届いていた年賀状を誰から来たのか確認していた。
ポストを見ると河島さんから年賀状が届いていた。ハガキには埼玉に来たなら新年会に参加して欲しい。
日時が書かれていてスマホで確認すると2日後の成人式の日、池袋駅近くのホテルに午後6時から。これを見て急いで参加すると河島さんに伝えた。
クリスマスに出したから元日には届いてもう少し早く返事が来るかと思ったと苦笑いの絵文字付きで返信があったが全部取っていなかったからなのか、この日に届いたのかは分からない。
年明けの発売号がいつからなのかを確認してスケジュールを組み、グループラインで成人式翌日からと送信をする。
新年会、参加したかったけど今までは函館にいることそして人気マンガ家に登りつめるまでは場違いだと思って参加していなかった。
碧波は電車に乗って池袋駅で降りてマップで目的地のホテルに向かうと入口で河島さんと会って返事が遅くなったことを謝罪をする。受付で名簿を見ると誰もが知るマンガ家の人たちばかりに萎縮していた。
前から比べれば赤松碧波の名前は知られるようになったが上には上がいる。
今からでも帰ろうかと感じていた。振り返ろってホテルを出ようとすると河島さんに止められてせっかく来たなら楽しみな。優しい人たちばかりだからさ。
それもそうだな。出ていって行くところもないしとんぼ返りするのは時間が勿体ないと感じていた。
編集長の話を終えて食事の時間になり、なるべく目立たないようにしているがスグに見つかる。
赤松碧波さんだよね?雑誌だけじゃなくて単行本やアニメ、グッズに映画全て持っているよ。
このひと言であればたくさんの人からの視線を感じる。
我が雑誌のアイドルの赤松碧波さん、次世代の星、碧波ちゃんだからこそ伝えられる発言力があるとウソでも嬉しいほど有名なマンガ家さんたちから賛辞の言葉を言われて有頂天になっていた。
食事を食べつつ1人ずつ喋ってどうやってマンガを描いているのか。
このセリフはどういう意図を聞いていた。怒られると思ったが教えてくれた。逆にキャラクターやセリフをどうするか聞かれた。
情報交換の場となり、碧波が聞くというよりも聞かれる時間の方が多かった。同じ雑誌に掲載しているもの同士お互いにクオリティーを上げていこうと新年会は終わった。
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