嬉しさと悲しさ
異常
碧波は世間では何が流行っているのか、どんなことが起きているのかを知るために朝ごはんを食べる時に情報番組を観るのを日課としていた。
やはり東京はトレンドの最前線を行く、世界のあらゆるものはまずは東京、そのように感じていた。
毎日ニュースで嬉しいことだけではなく、悲しいニュースも流れてくる。それはパワハラやいじめによって自ら死を選んでしまうことに心を痛めてしまう。
碧波自身がセクハラ紛いなことはあったもののパワハラやいじめといったことはされたことはないため、他人事みたいになってしまう。どんな事例があるのかスマホで調べてみる。
パワハラではこのようなものが見つかる。
同じ職場にいながら無視をする、本来ならやらなくてもいい仕事までやらされる。そして個人で叱責するのではなく、いる人を集めて叱責をする。これはもう
いじめでは意外にも肉体的なものよりも精神的なものが多く挙げられていた。
パワハラ同様に無視をするだけでなく、陰口。最近ならではかもしれないがラインのグループですぐに返信しないと仲間外れにされたり、もっと酷いものは性的なものを強要されたりする場合もある。
パワハラにしてもいじめにしても陰湿なものが多いなと感じていた。
どうにか解決したいと考えるもののどちらも自分がどう思うかではなく、された側がどう思うか。他人が関与したくても中々難しい問題となる。
マンガ家赤松碧波にも賞賛と批判の声がお手紙やコメントで寄せられている。
賞賛は励みになるし、批判は自分の足りないところを再確認するいいキッカケになる。ファンとアンチは表裏一体で興味持ってくれることが嬉しかった。問題なのはそのどちらでもない興味のないという人たち。
このアンチと興味のない人の批判では大きく異なる。
それは批判の内容。アンチの人は作品に言ってくるのに対して興味のない人はマンガ家という職業に文句を言ってくる。
大抵そういう人に限って自分はマンガを描いたことのないのに自分を正当化して御託を並べる。気にはしていないかスゴい不愉快に感じる。
炎上する覚悟でブログにコメントをすることにした。
「いつもマンガ家赤松碧波の応援をして頂きありがとうございます。雑誌、単行本、アニメをご覧になってくださる方がいるからこそ作品が輝くもの。
最近、パワハラやイジメ等で心を痛めている方が多くいることに悲しい気持ちとなります。
そのような方々、悲しいことがあっても自分を殺めることをしないでください。辛い場所から抜け出すことは大変だと思いますが何でもいいので自分が心から楽しめることを見つけてもらえれば辛さが少しでも幸せになるのではないでしょうか。マンガに興味を持って欲しい、赤松碧波の作品を読んで欲しいと
そして赤松碧波のファンの方々、アンチの方々いつもお手紙やコメントを寄せてもらい励みと参考にさせてもらっています。たまに興味のないのにも関わらず言う人もいますがその方々はまず人を批判する前に自分でやってみて。やってみてこの程度と思うのか大変で難しいと思うのか自ら確認してから批判するように
赤松碧波より」
碧波は自分の思いを言葉にすると思いの外長文になってしまったと感じ、このブログに対しても賛否両論があるんだなと感じていた。
ネットの恐ろしさ
朝に載せたブログはその日の夕方には既にネットニュースとして取り上げられていた。
人気の証でもあるのかなと喜びつつも誰かにいつも監視されているような気もしていた。名前が売れれば1つの発言に責任を持たなくてはならない。それは誰よりも感じていた。
1週間の工程でゆとりをもってタイムスケジュールを組んでいる。終わった後でたまにエゴサーチをする碧波、この日の朝に載せた記事のコメントを読む。
やはり記事に対してもやはり賛否両論あった。酷いものも沢山ある。その中でも特に酷いものがあった。
「田舎の小娘が偉そうに言うな」
このコメントに対して碧波のファンの人たちは表に出てこい、アカウントを凍結させるぞと擁護するコメントからやりすぎのコメントまでみられた。
ファンの人に向けてコメントを寄せようと考えたがまたネットで炎上する。そうなると火消しするのに時間がかかって本業のマンガを描いている時間がなくなると考えて心の中でお礼を言うことにした。
人気商売であるマンガ家は目立つことは大事だけど悪い目立ちをしてはいけない。毎週楽しみにしている人たちのためにマンガを描く。その方々に評価してもらって人気にならなくてはならない。そこを履き違えてはダメだと自負をしている。
初期の時から応援してくださるファンの人を大事にするのは当然だが、同じ雑誌に掲載されている他のマンガ家さんのファンの人をどうすれば自分にも興味をもってもらえるようになるのだろうか。
全くマンガを読まない人たちにどうすれば手を取りたくなるようなマンガになるのかを常に考えていた。
流行語大賞にも選ばれて少しずつだが街を歩いている中でマンガ家の赤松碧波ちゃんという声が飛び交っている。難しいことではあるが全国民、そして日本のみならず世界中で赤松碧波という名前を知ってもらいたい。
メディアにあまり出演をしてこなかったが白翔が高校を卒業したら上京しよう。そして本業のマンガ家をやりつつ全国に名前を知らせて世界に発信していきたいと新たな目標をもっていた。
仕事を雑にして疎かにするつもりはないが終えてからは雑誌を読み直しをしたり、電子書籍で似た作品を探してどういう描写なのか、どういうストーリーなのかと常に探究心を絶やすことなく行っている。
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