お泊まり
目が点に
碧波の部屋に入るとぬいぐるみが置いてあり少女マンガが並び、カーテンもピンク色とザ・女の子の部屋といった感じでここに居座っていいものなのかと感じていた。
机に座って夏休みの宿題をする碧波、邪魔をしたらいけないとゲームで遊んでいる。
カタカタ、カタカタと知らず知らずのうちに夢中になっていた。音が気になるのか碧波は鉛筆を置いてこっちにやって来る。
「ちょんちょん、ねぇ白翔。何のゲームしてるの?」
そう聞かれて動物を育成するゲーム、前に学校で流行っていたけど今は男女それぞれ違うゲームにハマっているみたいで同じ学校でやっている人いるのかなってレベルだよ。
流行りに乗っかってもプレイするころにはまた新しいブームが来ると思うからさ。このゲーム面白いし。碧波もやってみる?
いいの?白翔ってかわいいだけじゃなくて優しいね。
一旦データをセーブして碧波に電源の付け方から育成、対戦等といったひと通りの流れを説明をする。
碧波がゲームをやっている姿を見たことがない、どんな表情をするのかワクワクしていた。
ピンクのワンピースを着て髪の毛を2つ結びのツインテールが左右に揺れていて女の子と意識してはいけないと思いつつどこかで意識してしまう。
碧波は歳上、どれだけ恋愛意識を持っていてもダメだと自分に言い聞かせた。かわいい、顔を見れば見るほどかわいい。
碧波はしばらくゲームをやっていると手を止めて何も言わずに部屋を出て行った。
どこに行くのかなと思いつつもそのうち戻ってくるだろう。時間が経って戻ってこなかった時に考えよう。
10分程して碧波は再び部屋に戻ってきた。オレンジジュースとお菓子を持って入ってきたからと思うと呼鈴が鳴ってトビラを閉めた。
忙しいな、夏休みだから誰か友達が来ることもあるかも。失礼のないようにしないと碧波の顔に泥を塗るようなことはしてはいけない。頭の中には碧波のことを考えている。
お邪魔します〜と碧波の部屋に女の子が数人入ってきた。異様な光景でどこを見たらいいのか分からない。白翔は部屋から出ていこうとすると腕を掴まれた。
ねぇ、どこに行くの?用事がないならここにいて。みんなでゲームしようよ。そのために友達を呼んだのに。その言葉を聞いて部屋にいることになる。
1人の女の子が今でもこのゲームやっている人がいてよかった、キャラクターかわいいし男女問わず出来るゲームで楽しい。碧波にゲーム機とソフトあげるからみんなでやろうよ。
オレンジジュースを飲みつつ、お菓子をつまみながらゲームで対戦をする。歳上の碧波に勝てるとするならゲームくらいなもの。手加減せずやっていた。
悔しがる碧波、友達と楽しそうに話す碧波がかわいくて仕方ない。話している内容は何も分からないがこの空間にいられるだけでどこか嬉しい自分がいる。
白翔は初恋が碧波?従姉妹に初恋ってどうなのか考えていた。
女の子たちはずっと話していて楽しんでいる一方、悪いと思った碧波は話の話題を白翔に向ける。
この前、白翔が病室に来てくれた時に好きな女の子いるのか聞いたらいないって言って学年の女の子が束になっても碧波にかわいい女の子はいないって。
歳下、従姉妹だから言われても嬉しくないって言っていたけどそんな事ないよ。碧波のこと1人の女の子として見てくれているんだなって思うと嬉しいよ。
周りの女の子は羨ましい、そんなこと言われたことない。ホント白翔君は碧波のこと好きなんだね。
早めに手を打っておかないと取られちゃうよ、碧波は人気者だし狙っている人は多くいるよ。
俺も碧波共に小学生だし付き合うとかはまだ早いかな。碧波は優しいしかわいいから数年後、相応しい男になってその時に改めて告白しようかな。
碧波を含めて女の子たちから拍手され、その日が来たら教えてねと囁いて家に帰って行った。
あんな宣言しちゃったけど碧波はどう思っているのかな?嬉しいと思ってくれたのか、それとも聞き流して誰かと付き合うのだろうか。
どっちでもいい、でも碧波には幸せになって欲しい。
リビングで晩御飯を食べる。碧波と目が合わせられない。ホントに好きなのかも。そう考えると中々箸が進まない。食欲はあるのに不思議だな。
白翔、ご飯食べ終わったら話があるから部屋に来て欲しい。聞きたいこともあるからさ。
聞きたいことってなんだろうか、ご飯を食べ終わってパジャマに着替えて碧波の部屋に入る。
碧波、話ってなんだった?
さっき女の子たちがいる前で言ったこと覚えてる?
まだ小学生だから付き合うとかはまだ早い。
数年後、相応しい男になって告白しようかなって言っていたことが嬉しかった。だから白翔、約束しようよ。
約束ってどんな約束なの?
碧波が中学校を卒業するまでに付き合っていなかったら付き合おうよ。
白翔は碧波のこと好きでいてくれているし、碧波も白翔なら信頼出来るし付き合いたいって思うの。小学生の間はとりあえず今まで通り従姉妹の関係でいよう。どう、ダメかな?
指切りげんまんをして部屋を出て寝ようとすると別の布団ながらも同じ部屋で寝ようと言われたが気持ちが昂って朝まで眠れなかった。
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