長編「地球の子」

瑠璃・深月

第一章 真夜中のラジオ

「地球の子」



一、真夜中のラジオ



 真夜中にかかるラジオはなぜか特別な感じがして、胸が高鳴ったのを覚えている。受験勉強をするとき、または、深夜の仕事の帰り道に車の中で。誰もが一度は聞いたことがあるのではないだろうか。人によって真夜中のラジオとの関わり方は違うものだろう。だが、そこにある確実な安心感と、冒険心をくすぐる何かは感じたことがあるはずだ。

 そんな感覚を感じられる感性、心。そんなものがまだ備わっていたころの話を、これからしようと思う。

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