第58話

 外国人の名はエマ・ブラウン。

 母さんの話によると、海外にいる父さんがお世話になっている人の娘らしく、留学中はうちに泊まる事になったのだとか。

 

 「そういう大事な話はちゃんとしてよ」


 「だから、ごめんって謝ったじゃん」

 

 リビングで母と口論していると、洗面所から春が出てきた。

 

 「母さん。誰なのあの人?」

 

 うぁ。めちゃくちゃ怒ってる。

 

 「えっと。父さんの知り合いの娘さんで、留学中はうちに泊まる事になって・・・」

 

 「ふーん。そうなんだ」


 一通り、母さんから話を聞いた後、春は俺の方を見て言う。


 「おにぃ。鼻の下伸ばし過ぎ。どうして、直ぐに離れなかったの!?・・・やっぱり、胸が当たってたから?あのおっきい胸がそんなに気持ちよかったの!!」

 

 めちゃくちゃ怒っていたのは、母に対してではなく、俺に対してだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る