(二)-13
俺はこの会社では取締役の役職であり、営業本部の統括の仕事をしていた。そのためそうそう早退などできないし、したくなかったが、身内のことも心配ではあった。幸い部下に優秀な者が何人かいたので、仕事は彼らに振り分けて任せることにした。
怒りすぎたせいか母はすっかり疲れ切っていた。帰りのハイヤーの中で母は一言も口をきかなかった。会社の実務そのものは残っているのだから、そう気落ちすることはないとは思う。しかしそれが失火ではなく放火であったことが問題であったのかもしれない。
(続く)
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