(一)-2
だからというわけではないが、俺は「瑞穂は、気に入った?」と尋ねてみた。
彼女はあまり自己主張したりわがままを言う子ではなかった。だからちょっと気になったのだ。気に入らないならもっと別の場所を探せばいい。そういうつもりで、確認したかったのだ。逆に彼女が気に入ってくれていれば、ここにしようと思う。
彼女は軽いうなずきで俺の質問に答えてくれた。
彼女のそんな小さな仕草がかわいく感じられて、俺は思わず彼女を抱きしめた。
(続く)
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