ぼっち少女は百合好き女神と
たるたるたーる
〜プロローグ〜
私の名前は立花凛々〈たちばな りり〉。
都内の女子校に通う高校1年生。
人見知りで、人と話すのが苦手な私。
そんな私だけど現在、人生で一番頑張っているかもしれないところから物語が始まる。
…。
……。
………。
高校に入学して一ヶ月経ったある日。
ついに私は勇気を振り絞って行動する。
「あ、あの…。こ、これ一つ…。」
私はそう言うとある物に指を差す。
それは私が大大大好きで。
ずっと人見知りのせいで買えなかった物。
ショートケーキである。
私は甘い物が大好きで。
学校帰りに通りかかる度に食べたくて仕方がなかったのだけど、店員さんと話すのが無理で諦めていた。
だけど、今日はいつもとは違って一ヶ月高校に通えた記念日。
そのお祝いに勇気を振り絞って、見事に注文することができた。
会計も無事終えると店員さんがニコニコしながらケーキの入った箱を手渡してくれて、そそくさとお店を後にする。
すごく緊張して。
足がまだ震えているけど、手にした箱を見ると嬉しくなってくる。
(や、やったぁ!わ、私すっごい頑張った!すごいぞ今日の私!)
なんて自分のことを心の中で褒めながら足早に帰宅する。
そんな途中だった。
前から同い年くらいの女の子がフラフラと歩いていることに気づく。
ぶつかったら危ないなと少し逸れようと思った時だった。
女の子は苦しそうにすると壁によりかかり座り込むと動かなくなってしまう。
(ど、どうしたんだろ…。)と、心配するも他の人がきっと話しかけるだろうと思っていたのだけど…。
だれも助けに行かず、それどころか気づいてすらいない様で。
(うぅ…。ど、どうしよう…。)と、戸惑うも手にした箱を見て(き、今日の私なら大丈夫…。)と考えると慌てて女の子の元へ駆け寄ることにした。
「あ、あの…。」と、勇気を振り絞り話かける。
すると、女性はうつむいていた顔を上げると私の顔を見て驚くと「あなた…。わたしのことが見えるんですか…?」と、不思議なことを尋ねてくる女の子。
女の子と目が合って思わず目を逸らしながら「は、はい…。」と返事をすると「やっと…。見つけた…。うぅ…。よかったぁ…。」と泣きそうな声で話す。
わけがわからず戸惑っていると「すみません。時間がないので事情はあとで話します。」と女の子が言うと私の顔に触れて。
次の瞬間、唇に柔らかい感触が当たり。
それがキスだと理解して慌てて女性から離れるまで、女の子は私の唇に唇を重ねていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます