悪の大幹部デビルプリン

ジップ

第1話 復活の大幹部!

 かつて、世界征服を企む悪の組織と正義のヒーローの激しい戦いがあった。

 組織は敗北し、闇の世界に隠れたが、時が経ち、眠りについていた大幹部デビルプリン将軍が蘇ろうとしていた。


「時は来た! 」


 黒い軍服姿の少女の言葉に、立ち並ぶ異形の怪人たちが沸き立った。


「これより我がデビルサターンは世界に向けて進撃を……ん? ちょっとまて!」

「いかがいたしました? デビルプリン将軍」

 側近のジャアークが首を傾げるデビルプリンの方を向いた。

「おい、ジャアークよ。眼の前のなんか部下たちが少なくないか?」

「たしかに多少戦闘員どもの数は以前より目減りしておりますが」

「いやいや多少どころじゃないでしょ。私が眠りにつく前はもっといたよ戦闘怪人だってもっとこうズラーッと……」

「あれから我がデビルサターンもいろいろありまして……戦隊やライダーたちは毎年新戦力で立ち向かってきますし」

「そうゆーのあったらすぐに起こしてくれないと! 報告連絡相談っていつも言っているでしょ?」

「いや我々も起こそうとしましたよ起こそうとしましたけど将軍もう少し寝かせろもし起こしたら死刑とか言って全然起きてくれなかったじゃないですか」

「ぬぬぬ……まあよい……少し数が減ったとはいえ、我が精鋭の怪人たちが強力なのは変わりがない。戦力不足は気合と根性でなんとかなるわ!」

「さすが将軍! 力強いお言葉!」

「だが侵略の前に愚かな人間どもの様子を知っておきたい」

「と言いますと」

「私が眠りについて半世紀。そのくらい経てばいかな人間どもとて多少様子も変わっていよう。油断せぬように情報を得ておきたいのだ」

「さずが将軍! では我が組織が半世紀に渡って蓄えたデータがありますのでそれをご覧ください」

 側近のジャアークがスイッチを入れるとスクリーンに映像が流れ始めた。

 最新鋭の戦車や戦闘機、最新装備の兵士たちの映像に眉をしかめるデビルプリン。

「これはまじか? なんか各国軍事力増強されてるんですけど」

「各国政府が我々デビルサターンを警戒しまして軒並み戦力増強をいたしました。さらにヒーローどもにいたっては毎年、戦隊が約5人、ライダーは3人から4人と新戦力が加わっていきますので将軍がお眠りになった当時から正義のヒーローは500人越えてます」

「えっ500……?」

 デビルプリンの表情が固まる。

「こ、これは作戦の立て直しが必要だな……よし今日の進撃は中止!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る