第13話 夢は届く

暗い、細い道。角を曲がる。

『寅…!』

四メートルを優に超える大きさ。輝く毛並み。

『美しい』

戦う意思が消える。もはや恐怖もない。神々しい。

こんなもの私が手にしていいのだろうか。

『戦え!!その拳で!!』

寅の近くに人がいる。私に向かって叫んでいる。

『戦え』。そうだ。私は…


「はぁはぁはぁ」

ベットから跳ね起きる。すごくリアルな夢だ。

まだドキドキする。

「会わなきゃ」

私は職員室うちを飛び出した。

ただあなたに出会うために。


暗い、細い道。

帰り道。いつもすれ違う。記憶にある笑い声。

角を曲がる。

「届いたんだね」

そうだ。名前は…




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