【悲報】僕をオタクとバカにしていたクラスで一番可愛いギャルが妹になったんだけど、いまだにおねしょをしている事が判明しました。
斜偲泳(ななしの えい)
第1話
高校一年生ももうすぐ終わろうという春休みのある日。
僕、
僕の義母さんになる人は、クマの擬人化みたいな父さんには勿体ない、若々しくて綺麗でおっぱいの大きい女の人だった。
優しそうな人で僕はホッとしたけれど、隣に座っている黒髪ロングのギャルに気づいてそれどころではなくなった。
「…………え、清水さん?」
「…………オタ漫? なんであんたが……」
お互いの顔を見て絶句する。
義母さんに似て、清水さんもおっぱいの大きな美少女ではあるのだけど、雰囲気は全然違う。
生意気で、意地悪で、好戦的で怖い感じだ。
クラスの中でもトップカーストに属していて、男子はみんな清水さんを恐れている。
そんな人と家族になるなんて!
「父さん! この子、クラスメイトなんだよ! なんで言ってくれなかったの!?」
「そうだよママ! あたし、聞いてないんだけど!?」
慌てる僕達を見て、父さんと義母さんがデレデレした雰囲気で顔を見合わせる。
「だって」
「ねぇ?」
「「特に聞かれなかったし」」
あまりにもあんまりな回答に、僕も清水さんも呆れかえってあんぐりと大口を開けてしまった。
「そりゃ、聞かなかったけど……」
「そんなの気まずくて聞けないじゃん!」
清水さんに同じく。
再婚するとか言われてもどう反応したらいいのか分からない。
父親の恋愛事情なんか知りたくないし、首を突っ込むのもなんか嫌だったので、あまり触れないようにしていた。
だからって、こういう事は先に言っておくべきだと思うのだけど。
「悪かった漫太。お父さん、どうしても
「花鈴ちゃんもごめんなさい。ママね、どうしても
同じような事を言ってしょんぼりすると、二人は見つめ合ってうっとりした。
それで僕は、二人が本当に心の底から愛し合っているんだと理解した。
清水さんも同じなのだろう。
文句を言いたいけど何も言えないみたいな顔で口をパクパクしている。
「漫太がどうしても嫌だって言うのなら、父さんも考えるが……」
「花鈴ちゃんがどうしても嫌って言うんなら、ママも考えるわ……」
今までに一度も向けられた事のない悲しそうな目をされて、思わず僕は清水さんの顔色を窺った。
清水さんの顏にはオタ漫なんかと家族になるのは絶対に嫌だと書いてあった。
僕の顏にも多分同じ事が書いてあった。
そんな事は最初から分かっていたけれど、再確認して僕達はげっそりと顔を背けた。
「「…………嫌じゃないけど」」
そう答える以外、どうしろと言うのだろうか。
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