第一二話 赤鬼の合否確認

開ける?開けるしかないよな?開けなきゃダメだよな?


郵便が届いてからかれこれ30分。私百目鬼伊織とどめきいおり、チキって開けられないのである。

見たくねぇ...開けたくねぇ...。

そんなふうに脳内で弱気になる俺を押し入れに押し込む。

見ないわけにはいかん!みる!よし!開けるぞ!


バッ、と音を立てて封筒を開ける。プリントだ。面白みがないな。DVDを入れといて映画形式で点数を発表するくらいしてくれてもいいんだぜ?

そんな言葉とは裏腹にものすごく目を細めて怖がりながらプリントを見る。

あくびしている猫のフリー画像より目を細めているはずだ。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


採点の基準は以下のものとする。

素行→持ち点から加減方式。門から校舎までの道での行動から試験官が採点。

観察力→門から校舎までの道をいかに早く脱出できるか。601-(秒数)で採点。

実技→穴でのスライムの討伐数。アシストもトドメも同じ点数である。一体あたり5点。

筆記→5教科100点満点で採点。


合格最低点:600点

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ここまでが一枚目。やめろ、分けるのは。怖いだろ。一気に見せんかい。


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受験番号1101 百目鬼伊織


素行:30(10+20) 観察力:287(601-314)

実技:240(48×5) 筆記:461(89+92+97+94+91)


合計:988


おめでとうございます。合格です。

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合格?え?まじ?嘘でしょ?

衝撃が嬉しさを通り越す。声が出ない。

封筒をガサガサすると奥から数枚のプリントが出てきた。合格だとわかった俺はもう何も驚かないぞ。どんなプリントが出てきてもだ。動揺しない自信がある。かかってこんかい。



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

あなたは首席合格者です。入学式での一年生代表の言葉を考えておいてください。入学おめでとう。      

            校長 斎戸眼斗里

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エンダアアアアアアアアアアアイヤアアアアアアアアア!!!!


...ん?もう二枚紙が入っている。

一枚を見ると今後必要なものは郵送する、と言う報告の紙。じゃあもう一枚は?


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先ほど首席合格だと書きましたが、女子受験生の胸に触ったり泥だらけで筆記試験を受けたことを考慮し50点減点します。よってあなたは首席合格者ではありません。挨拶を考える必要はなく、入学までの二ヶ月間入学試験にふさわしい態度について考えましょう。


            校長 斎戸眼斗里


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


...



...



...



...?



ー・ー・ー



俺が天願学園を合格したことは増井さんや直木さんにも伝わり、おめでとうの言葉をいただいた。絶対に首席合格を逃したことは言わない。恥ずかしすぎる。


ー・ー・ー


そして俺が異能に目覚めてから

一月が過ぎて。

食べて。

寝て。

起きて。

勉強して。

修行して。

二月が過ぎて。

眠って。

目が覚めて。

学んで。

鍛えて。








そしてやってきた―――入学式!










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