お昼と買い物
私と紫音はお昼を食べるために、近くにあるファミレスへと来ていた。
「紫音は何食べる?」
「私はカルボナーラかな。白玖乃は?」
「んー、悩んでるんだよね。ピザにするかドリアにするか」
「それなら、両方頼んで、ピザは二人でシェアしない?」
「それいいね。じゃあ、さっそく注文しよう」
私たちはそれぞれ注文するものが決まったので、店員さんを呼んで注文を済ませた。
注文した料理が来るまでの間、暇だったので、私たちは自己紹介がてら、お互いのことを話すことにした。
「そういえば、紫音の実家は学校から近いの?」
「あー、実は私、宮城出身で。高校進学を機にこっちに来たんだ」
「宮城って、九州だっけ?」
「それは宮崎だから。宮城は東北ね。仙台があるとこ」
「あぁ!仙台か!それならわかる!」
「宮城県あるあるをありがとう。まぁ、そうゆうわけだから、こっちに来たばかりなんだよね」
「なるほど」
(東北出身だから色白なわけか。あっちの方って、比較的色白の人が多いって聞くし)
「白玖乃は、こっちの方出身なの?」
「うん、そうだよ。生まれも育ちも神奈川」
「いいなぁ。こっちって色々あるから、いつも楽しそうで羨ましい」
「そんなことないと思うけど。逆に人が多いから、気疲れしちゃうよ。だから私としては、田舎の方が憧れあるけどなぁ」
「憧れは憧れのままにしておいた方がいいと思うよ」
しばらく話していると、注文した料理を店員さんが持ってきてくれたので、さっそく私たちは料理を食べ始めた。
料理を食べ始めてしばらく経った頃、紫音から午後のことについて聞かれた。
「そういえば、午後の買い物って、何を買いに行く予定なの?」
「んーっと。ベットとかテーブルとか、生活するのに必要なやつだよ。入居する前にかってもよかったんだけど、同室の子と合わせた方が、いろいろといいでしょ?」
「あ、白玖乃も同じ考えだったんだ。よかった。私も同室の子と相談してから買いたかったから、安心した」
「それなら、この後一緒に見て回らない? その方がお互いの欲しいものが買えるだろうし、楽しそうだしね」
「わかった。なら、ご一緒させてもらおうかな」
こうして、午後の買い物も二人で行くことに決まったので、少し早めにご飯を食べ終え、料金を払った後、ファミレスを後にした。
ファミレスを出た後、私と紫音は生活に必要なものを買うため、駅の近くにあるショッピングセンターに来ていた。
「さて、まずは何から見て回ろうかな。紫音は何から見たいとかある?」
「・・・らずもねぐでけぇ・・・」ボソッ
「紫音?」
「・・・あ、ごめんね。あまりの大きさに驚いちゃった」
「そんなに大きいかな? ここら辺だと普通な気がするけど」
「少なくとも、私の地元にこの規模の建物はなかったかな」
紫音は、このショッピングセンターの大きさに驚いていたようで、先ほどの話を聞いていない様子だった。でも、驚きながらも瞳を輝かせている紫音の顔がとても可愛らしく、見ているだけで楽しい気持ちになった。
「それで、紫音は何から見てみたいとかある?」
「んー。とりあえずテーブルかな。ご飯を食べるにしても、勉強するにしても、必要だろうし」
「りょーかい。ならまずは、テーブルとかが売ってる場所に行こうか」
私がそう言って歩き出そうとした瞬間、急に左手を掴まれた感覚がして振り向くと、紫音が微笑みながら手を繋いできていた。
「こんな大きなお店初めて入ったから、迷子になりそうだし、手を繋いでもいいかな?」
いや。聞く前にもう繋いでるじゃん。というツッコミは飲み込み、微笑みながら私も『いいよ』と返事を返す。
私たち二人は手を繋ぎながら、テーブルなどが売られているお店にやってきた。
「白玖乃は、テーブルと勉強机の二つを買う予定なの?」
「ううん。テーブルひとつ買って、それを使って勉強とご飯食べる予定だった。その方が部屋を広く使えそうだし」
「確かに。なら、大きめのテーブルを1つ買って、二人で使わない?」
「いいね。ならそうしようか」
そうして、買うテーブルを大まかに決めてから、店内を見て回る。
「紫音、これなんてどう?」
「んー、少し小さいかも」
「じゃあ、こっちは?」
「あ、いいね。それにしよう」
紫音にも納得してもらえたので、白い木製のローテーブルを購入することに決めた。
「じゃあ次はベットを見に行こうか」
支払いを済ませた私たちは、買ったテーブルをアパートに送ってもらえるよう依頼した後、紫音の提案により、次はベットを見に行くことにした。
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