通り魔

第1話

私は都内の大学にかよっている女子大生、久野玲香です。

そんな私は今、世田谷区の大型商業施設で買い物として練り歩いてます。

たくさんの人ごみですね……クリスマスだからでしょうか?

すると、一人の男にぶつかってしまったのです。というかお腹痛い。

恐る恐る触ると赤い液体が手に付いたのです。

これは血なの?と漸く自分が誰かに刃物で刺されたことを理解したのです。

そして、血のついたナイフを置いて、私を刺した男はそのまま去っていたのです。私はその場に倒れ込んでしまいました。

周りは騒然としています。


「あの子、出血多量だぞ!」


「救急車呼べ!」


などと言う声も聞こえてきました。傷口を手で押えつつ血塗れの手でスマホを取り出し警察に連絡した。数分後救急車が到着し、そのまま病院へ搬送された。

幸いにも急所から外れていたため命には 別状はなかったが、 出血量が多すぎたため入院を余儀なくされた。


「最悪だ……」


意識も薄れゆく中、私はただそう呟た。気が付くと、そこは真っ白な天井でそこに看護師が入ってきた。


「大丈夫ですか?」


と声を掛けてきた。どうやらここは病院らしい。


「あぁ……はい」


と弱々しく返事をした。


「良かったわ。あなた、出血多量で倒れていたところを運ばれたのよ。危ないところだったね」と優しく言ってきた。


「そうなんですか……。助けていただきありがとうございます」


とお礼を言うと


「いいのよ。これが仕事なんだから」


と言い、部屋から出て行った。


「さっきの看護師さん美人だったなー。名前聞けばよかったなー」と思いながらボーっとしていると、また一人女性が入って来た。

その女性は白衣を着ており、医者だと一目で分かった。


「こんにちは。目が覚めたようね。気分はどうかしら?」


「はい、何とか生きてます」


と答えると、クスッと笑いながら


「面白い冗談言うのね。まだ死なれちゃ困るんだけどなー」と言ってきた。


「すみません……。でも本当に死にかけていたんだけど?」


と言うと、「ごめんなさい。ちょっと言ってみたかっただけなのよ。私は精神科医をしている小鳥遊美鈴です。よろしくお願いしますね」


「こちらこそ、宜しくお願いします」と答えた。


「ところで、どうしてあんなことになったのか覚えているかしら?」


「いえ……全く記憶がないです」


「そうよね。じゃあまずはあなたのことを教えてくれるかな?家族構成とか、友達関係とか」


と言われ、答えていくことにした。


「家族構成は両親と姉がいるけど今は海外にいるわ。高校までは都内に住んでいて大学は親元を離れて一人暮らしをしてるわ。大学でできた友人は多いとは言えないけどいるし、恋人はいないです。あとは……」


と質問に淡々と答えると


「もういいわ。教えてくれてありがとね」

と少し微笑んだ顔で言った。


「いえいえ、お役に立てたなら嬉しいです」


と返すと、今度は真剣な表情になりこう告げた。


「実はね、あなたを刺した犯人は捕まってるの。そして、その男は殺人未遂で逮捕されてるわ。だから、安心して過ごして欲しいの」


と言われた。しかし、それは私にとってとても辛い宣告であった。なぜなら、私はこれからどうやって生きていけば良いかわからなくなってしまったからだ。


「私が生きている意味ってあるんでしょうか?」と聞いてみた。


すると、彼女は優しく私の頭を撫でてくれた。

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