ポケモン、あかるい冒険の世界
クリスマスが近づいてきた。大学の授業もクリスマスを取り扱ったものが多くなってきた。クリスマスのミサがあって、声もかけていただいたのだけれど、子どもを連れて行けるのかちょっと迷っているところだ。
どちらにしろ、クリスマスは子どもと夫と、家族で過ごす。
このあいだは結婚記念日だった。
私たちの結婚記念日は12月で、クリスマスと近いのだけれど、結婚記念日はあくまで夫婦の記念日としてふたりで、クリスマスは家族みんなで過ごす、というのを続けていきたいなと思っている。
今回の結婚記念日は、子どもを預かってもらって、ちょっと良いお肉を食べに行った。
普段は当たり前だけれど、子どもを預けて夜にふたりだけで出かけたりはしない。結婚記念日だから、という、本当に特別な記念日だ。
今年の結婚記念日のプレゼントは、等身大のポケモンのぬいぐるみを送りあった。ホゲータとニャオハだ。夫がホゲータで、私がニャオハ、もちろん、ポケモンスカーレット・バイオレットで互いが選んだパートナーポケモンだ。
ポケモンとこんな長い付き合いになると思わなくて、いまうる星やつらのアニメも観てることなんかを考えると、そういう意味では本当に小学生のころとやってることが変わっていない。
ポケモンとの出会いは、子どものころ、ニューヨークに行く飛行機のなかだった。
なにせニューヨークまでは時間がかかる。5歳の子どもをいかに退屈させないかという工夫のひとつの結論だったのだろう、私にはゲームボーイとポケモン赤が与えられ、そしてすくなくとも私の記憶のなかでは、長時間のフライトに退屈せずに済んだ。
そこから、私はポケモンにのめり込んだ。
当時の幼稚園の連絡帳を読んでも、私が相当ポケモンにハマっていたことが書かれている。
ポケモンの魅力には、ポケモンたちの愛らしさ、バトルや交換の面白さなど、いろんなものがある。そんななかでも個人的にはまず何より、ポケモンのもつ、スタンド・バイ・ミー的な面白さが、大好きだ。
映画のスタンド・バイ・ミーが、私はとてもとても好きで、少年四人が線路の上を歩くあの映画を、擦り切れるように見た。
そして、私がたぶん人生ではじめてスタンド・バイ・ミーにふれたのは、マサラタウンの家のテレビだった。
スタンド・バイ・ミー的な雰囲気はずっと、大好きで、大好きで、中学に上がってからとても仲よくしてもらっていた先輩に、MOTHERシリーズを貸してもらった。ゲームボーイアドバンスで、1も2もできるソフトだった。
私が大好きなものが、そこにもあった。
ポケモンは、MOTHERシリーズに影響を受けて作ったという話を聞いたことがある。主人公の帽子が、確かに、お揃いだ。
そんな、スタンド・バイ・ミー的な雰囲気はずっと好きで。
しかし、子どものときポケモンにのめり込んだ決定的な要因は、おそらく、友達と遊ぶポケモンの面白さだろう。
幼稚園のときも、小学校のときも、周りもまたポケモンに熱中している子が多かった。
みんなで集まってポケモンで遊び、ポケモンのシールやフィギュアを交換し、ポケモンカードにハマったのも、友達が多くやっていたからだった。
低学年のときは赤緑ピカチュウ、そして金銀クリスタル。裏技の情報を交換しながら、通学路を歩いた。
はやる気持ち。親の知らない世界を築くわくわく。家に帰って、現実と同じ時間帯のジョウト地方に行って、明日こそ友達をびっくりさせてやるんだと意気込むときの、あのちょっと眠たいけれども最高にわくわくする時間。
そんなことをしていると、友達が遊ぼうと誘いに来たりもして。
中学年のときは、金銀でちょっと練ったバトルをしながらも、私たちの仲間うちではまずポケモンカードが流行った。みんな、それぞれ好きなポケモンのタイプがあって、トレーディングカードゲームの名にふさわしく、トレーディングしながらデッキを構築し、バトルにのめり込んでいった。
中学生になっていた友達のお兄ちゃんがポケモンカードをプレゼントしてくれたこともあって、あれには今でも感謝している。
高学年のときには、夏休みに友達の家に集まって、ルビサファの図鑑コンプを目指した。あとヒンバスだけ捕まえられればコンプリートだったのに、それだけ達成できずに、夏休みは終わってしまった。
中学生くらいで、一回ポケモンからは離れてしまったけれども。その後も、ノスタルジーとともに、好きではあったけれども。
大人になって、しばらく。コロナの関係で家にいることが多くなり、夫と剣盾を購入して遊び始めてから、また、ポケモンが近い存在となった。
思い出の存在から、近い存在へ。
そんなことを語っていたら、今日は電車が駅に着いてしまうけれど、実はまだバイオレットをクリアできてはいない。
年末年始、普段より少し多く、ポケモンの世界に浸れたらいいなと思っている。
ポケモンの世界は太陽があかるい気がする。そして、広い。
あかるい冒険の世界を。これからも、もっともっと、空想かもしれないけれど、空想だからこそ、旅したい。
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