ドリーミング・プロトコル

丁嵐 ぐらむ

プロローグ

5年前の私へ


■■、お元気ですか。

来年は受験生ですね。

今の私もそれなりに元気です。


あなたは驚くだろうし、信じられないかもしれないけれど、最後までこの手紙を見てください。


あなたの住む20■■年は、もうすぐ冬を迎えようとしていますね。

それと同時に、紛争が起こります。

5年後のあなた、今の私はその紛争を起こした中心人物として捕らえられ、殺されようとしています。

私は今、国の管轄する監獄で死刑執行を待っています、この事実を伝えられるのは今しかないと思ったのです。

あなたがこの手紙を読んだ時、タイムパラドクスを防ぐため、今私が存在する時空は消えてなくなり、この文面にしか私が存在した事実が残りません。

詳しいことは伝えられずじまいになってしまったけれど、このことが伝えられて良かった。


20■■年の■■、162回目の私

あなただけが未来を知っています

あなたたちを、国の全てを暴いて、


「夢見る議定書」を施行してください


20■■年の■■より

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