高専日記

おきな

はじめに

 これは、場面緘黙症持ちの私の、高専に行くまでと、行ってからの奮闘を残した日記である。夢はこれが本になって、場面緘黙症のことを日本中に知ってもらうことだ。声に出して表現はできないけど、書いて表現することはできる。そんな面倒な障害と向き合って書いた日記なので、ぜひ面倒だと思いながら読んでほしい。


 前の文章は、高専に通いだして書き始めた日記の、序文です。行くまでのことは、あまり関係ないので出しませんが、ざっとまとめると、受検に行ったときに案内の先生と受け答えができたこと、中学の担任の先生と学年主任の先生に「さようなら」と初めて言えたことなどから、高専に入ったら人生が変わって喋れるようになると思っていたということです。しかし、私はこの高専を一年でやめました。

 やめた理由はこれから読んでいただくとして、こんな人間が言えることかどうか分かりませんが、私は高専が今でも大好きです。やめてから半年以上経っても、高専の先生たちと電話しては、思い出して泣いてしまうほどです。

 これから当時の日記を、名前などを伏せて、少し修正して載せていこうと思います。電話ができるようになった経緯も、後ほど記録します。

 忘れたくないから。

 でも、今もう忘れていってしまっているから。

 絶対に忘れてはいけない思い出だから。

 この前電話するまで、担任の先生の声も忘れてしまっていました。「高専が大好きだから、思い出してしまいます。」と言ったら、「好きなのは嬉しいけど、好きだから私は頑張ろうって、ならないといけないよ。」と言われて、こんなに優しい先生たちが私にはいるのだから、何だってできるなと思いました。

 ということで、これから一年間の高専日記が始まります。

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