序章‐VRの世界
1 繋ぐ門
───前書き───
現実8分34.28秒=ゲーム1時間
現実205.712分(約3時間25分)=ゲーム1日
現実23時間59分=ゲーム7日
───以下本編──
西暦3046年、とある1つのPVが公開された。
そのPVは、何もない所から一人の青髪の青年が光に包まれて街の広場らしき場所に現れるところから始まった。
その青年は歩いて街の門から出ていき、スライムを倒した。
青年がスライムを倒すと場面が切り替わり、様々なモンスターを倒す様子が映された。時にはオーク、時にはドラゴンまで。
青年の戦闘シーンがひと段落ついたのか世界の様々な光景が映し出された。
そして、動画が終盤に差し掛かった頃。大都市で演説をしている人物とそれを聞いている大勢の人々の映像が流れ始めた。
だが、大勢の人々が拍手をしたり、盛り上がり始めた時、映像は大都市を斜め上から映し出し、そこに浮かぶ人物を捉えていた。
その人物が何かを話しながら手を真下に、大都市に向けると突如として、そこに存在していた人々の肉体は消え去った。一人の冒頭の青髪の青年を残して。
静寂に包まれた大都市でその青年が上空に浮かぶ人物へ何かを叫ぶとその人物は
それを最後に映像は終了した……。
△▼△▼△
「――すごい」
その一言に尽きる。
最近の話題の9割程を掻っ攫っているこの『
このゲームは前作と言われている『
なぜこのゲームの話をしているのかというと、友達にこのゲームを異様に勧められ、この夏休み特にやることもないしいいか、と軽い気持ちでゲームの先行発売に応募してみたら“たまたま”当選し遊べることになったからであった。
そのため事前準備としてPVが発表されてから少しして開設されたこのゲームのホームページに乗っていた世界設定や基本的なスキル、職業を見てどんなプレイをするかを考えていた。
明日には長期の休みが始まり、それと同時にゲームも開始される。
なので明日の朝6時の開始時刻に間に合うように今日はもう寝て、備えるとしよう。
△▼△▼△
翌日午前5時00分
昨日早く寝たことが功を奏し、ゲーム開始時刻に間に合うように起きられた。
6時にゲームにログインできるから、それまでの隙間時間は昨日確認することができなかったこのゲーム内での時間経過がどのくらいなのかを確認することにしよう。
なになに、この『
「へぇ、約3時間25分が一日。……ん? てことはこっちで1日経つと向こうは7日経つのか。時間加速しすぎじゃないのか?」
と、思ったらその下に小さく
これは……このゲームの世界を『World Creation Simulation System』で創造した瞬間から7倍の差があったってことか?
なんでそんなことが起きるんだろうか?
まぁいいか。
そんなことは俺には関係ないしな。
それはそれとして他にも確認すべきことの確認に移るか。
まずプレイヤーが最初のログインで諸々を完了させた後に降り立てる地域は、
・聖族と魔族以外の人間族、炎人族、水人族、風人族、土人族共生国家、『ダフルゥアイルィハニ』。
・『ダフルゥアイルィハニ』から見て北東に位置する、北の活火山と東の森に挟まれた人間族、炎人族、水人族共生国家『フレイトゥル』。
・『ダフルゥアイルィハニ』から見て南東に位置する、南の鉱山と森に挟まれた人間族、水人族、土人族共生国家『ユニトゥルスイレ』。
・『ダフルゥアイルィハニ』から見て南西に位置する、西の砂漠と鉱山に挟まれた人間族、土人族、風人族共生国家『ストグウィンス』。
・『ダフルゥアイルィハニ』から見て北西に位置する、活火山と砂漠に挟まれた人間族、風人族、炎人族共生国家『テラストレムウィング』。
の計5つである、と。
あと30分でログインできるようになるから次の情報で最後にしようかな。
『この世界に存在する、
人間族、炎人族、水人族、風人族、土人族、魔族、聖族、吸血鬼族、天使族、悪魔族、ヒト型を一部でも得、そして人の言語を話せるモノ、等。
ほかにも精霊族や聖霊族、魔霊族、その他
と書いてあるがその下に、上記の人間~悪魔と書いてあるうちプレイヤーの皆様の身体になり得るのは人間族、炎人族、水人族、風人族、土人族の計5種族となります。と注意書きがされているな。
と、ログイン可能時間まであと10分しかないじゃないか。
朝食はちょっと早かったが起きてすぐくらいに食べたからいいとして、トイレに行っとくか。
そうこうしていたらもう2分前になっていた。
頭にかぶる形のVR機器を装着し、いつでもゲームが始まってもいいように準備をする。
「残り10秒、8、7、6、5、4、3、2、1、
俺がそう言った瞬間、意識が暗転した。
――――――――――
お読みいただきありがとうございます。
もし『面白かった!』等、思ってくださった方は作品のフォローや、小説概要の下の星かレビューの欄の星を、1つでも埋めてくださると作者が何処かで喜びます。
よろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます