8.眩暈

 目の前がゆっくりと暗くなっていく。


 遠くなる意識を必死に繋ぎ留めながら、私は屋上で叫び声に似た告白をする君を見つめていた。

 嘘、嘘でしょう、どうして。

 あんなに、あんなに私は君のことを見つめていたのに。大好きなのに。

 君は私ではなく、あの人を選んだ。


 どうして、……どうして。お姉ちゃんなの。

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